GLOW Premium Salon2018 セミナー
自分を強くする、第三の居場所とは?
Project report マインド ライフスタイル
[ 19.01.11 ]
人生100年といわれるいまの時代に、ミドルエイジの女性たちがいきいきと優雅に年を重ねることを応援するプロジェクト「Aging Gracefully」。宝島社と朝日新聞社が取り組むこのプロジェクトの一環で、11月11日にイベント「GLOW Premium Salon2018」が渋谷ヒカリエで開催されました。
ヒカリエBホールで開かれた、AERA主催のトークセッションには120人が来場。「home, office and one more 私を強くするもう一つの場所」をテーマに、ゲストでテレビ朝日「報道ステーション」メインキャスターの徳永有美さん(43)と、AERA編集長の片桐圭子(50)が、家庭でも仕事でもない、もうひとつの「自分らしくいられる場所(=サードプレイス)」について語り合いました。
いまは週4日、夜10時から生放送に出演する徳永さんですが、2005年に結婚後は11年間、主婦生活を送っていました。「ブランクもあって、体力も以前より落ちて、家庭と仕事を両立するのは大変。はじめにサードプレイスときいたとき、仕事と家庭以外の場所をなかなか思いつかなくて。でも、考えてみたら、夫の実家がそうかもしれません」(徳永さん)
年に2回は帰るという夫の実家は、熊本県の人吉市にあるそうです。
「義理の両親は90歳を超えていて、子どもと同じく、私にとっても大切なおじいちゃん、おばあちゃん。生きた時代や経験が違いますから、戦時中の話を聞いていると、カメラをまわしたい気持ちになる。もちろん、やることはたくさんあって大変なんですけど、ひとつのアトラクションと考えるととても楽しいんです」(同)
普段できない体験を楽しまないともったいない、と発想のスイッチが切り替わる感覚でしょうか。
片桐も、震災がきっかけで、毎年ゴールデンウイークに家族で東北に行くようになったと話しました。
「最初の何回かはボランティアもしたりして、『行かなきゃ!』という感じでしたが、いまはもっと自然に『行きたい』という気持ちが強いんです。景色が毎年変わっていくし、家族で必ず行く、なじみの場所もできたりして、さぁ、ゴールデンウイークは東北で楽しんで、また1年頑張ろうという気持ちになります」(片桐)
話が盛り上がるなか、二人が究極のサードプレイスとして注目したのは「一人で過ごす時間」でした。報道番組のメインキャスターである徳永さんは、番組のある日は帰宅すると深夜12時をまわってしまいます。 「照明を少しつけて小さく音楽をかける。お酒を飲みながら新聞のコラムを読んで、その日の進行を振り返る。孤独に見えるかもしれませんが、至福のひととき。私自身を保つために大切な時間です」(徳永)
18年9月からAERAの編集長になった片桐も、「仕事のことが頭の中で途切れなくなってしまって、時間がどれだけあっても足りない」と、仕事に引きずられてしまう日常への思いを吐露。「金曜の夜は少しぜいたくなおつまみを用意しておくようになりました。大好きなお豆腐を楽しみに起きて、朝ごはんにいただく『朝活』にいそしんでいる友人もいます。大げさなことは必要なくて、小さな幸せをつくる。ささやかな習慣がサードプレイスになりますよね」と、大いに共感しました。
年を重ねることは、「年齢に縛られる自分」との闘いでもあります。年齢をすてきに重ねているように見える徳永さんも、「年を取ることには大分抵抗して、30代後半からは年齢となかなか向き合えなくなって。40歳を超えたあたりで『ついに来たな』」という思いを抱えていたそうです。「そのなかで自分らしく輝くってなんだろう、って。結局、自分が積み重ねたものが、血となり肉となり、励みになって、輝きになってくんだと思います」と、徳永さん。来場者にも、「選択肢も多い時代ですから、その広がりがあるぶん、苦しみや悩みもある。もっと自分本位に時間を捉えていいですよね」とエールを送りました。