GLOW Premium Salon2018 セミナー
産婦人科医はAG世代の駆け込み寺
知っておきたい更年期の話
Project report ヘルスケア 更年期
[ 19.01.16 ]
人生100年といわれるいまの時代に、ミドルエイジの女性たちがいきいきと優雅に年を重ねることを応援するプロジェクト「Aging Gracefully」。宝島社と朝日新聞社が取り組むこのプロジェクトの一環で、11月11日にイベント「GLOW Premium Salon2018」が渋谷ヒカリエで開催されました。
ヒカリエBホールで開かれた、AERA主催のトークセッションには、120人が来場。ゲストの宮益坂メリーレディースクリニック院長・長岡美樹医師と、大塚製薬で「女性の健康推進プロジェクト」のリーダーを務める薬剤師の西山和枝さん、AERAの片桐圭子編集長が、この世代の女性のからだの変化とのつきあいかたについて語りました。
話題の中心を占めたのは、多くの場合、40代、50代で向き合うことになる「更年期」です。「疲れが取れにくい、お酒が抜けにくい。疲れているはずなのに、早朝に目が覚めてしまう。皆さん、そんなことはありませんか?」AERA編集長の片桐が会場に集まった人々に呼びかけると、会場のあちこちで手が上がりました。
「30代を過ぎると女性ホルモンの分泌量が減少し、それによってからだもすごく変わるんです。女性ホルモンは、いわば、女性のからだの守り神。40代、50代のAG(Aging Gracefully)世代は、疾患リスクが高まる時期でもあるんです。女性ホルモンが減少して起こる不調が、更年期症状です」
長岡医師によると、一般に「更年期」と呼ばれる症状は多岐に渡り、泌尿器や生殖器のトラブル、血管や運動神経のトラブルなど身体症状から精神的な症状まで、200~300種類にものぼるといいます。西山さんも、「頭がボーッとしたり、夜中に暑くて目覚めたりすることがあります」と告白し、会場を代表して質問しました。
「本当にこの時期、からだの変化がいろいろ起こりますよね。私たちはどう対処していったらいいんでしょう」
長岡医師の答えは、「方法はたくさんあります」。具体的には、「薬やホルモン補充療法、漢方療法、エクオールなどを含むサプリメント。もちろん、健康的な食事や適度な運動、リラクゼーションもあります。『こんなことで病院に行っていいのかな』と遠慮する人も多いと思いますが、小さな不調でも、ぜひ産婦人科に相談に来てほしいんです」
産婦人科というと、「妊娠出産のための場所」と思いがちですが、女性が自分のからだのことを気軽に相談できるところだ、と長岡医師は言います。AERA編集長の片桐も、「周囲を見ても、病院に行って思わぬ病気が発覚したり、ちょっとしたアドバイスで劇的に改善したりする話はよく聞きます」と頷きました。
女性は身も心も、いつまでも若々しくいたいもの。ついつい「自分はまだ若い」と過信しがちですが、「健康は、若い頃とちがって、何もせずについてくるものではありません」と長岡医師。「AG世代は本当に頑張っている人たち。仕事に家庭に介護にと、社会でも家庭でも果たす役割は大きいですよね。皆さんに不調があれば、世の中全体に影響が出てしまう。不調のために、自分に自信をなくしたり、仕事を辞めたりすることなく、自分らしく生きてほしい。気軽に産婦人科を使って、自分を大切にしてくださいね」と、AG世代にメッセージを送りました。