Aging Gracefullyフォーラム2019 女性の健康と美を考える
大人の美肌 ケアの変えどころ A to Z
Project report ビューティー
[ 19.04.01 ]
日本では2020年、女性の2人に1人が50歳以上になります。人生100年時代に40~50代の女性たちの悩みや課題に寄り添い、あとに続く世代が生きやすい社会にしたい――。そんな思いから、宝島社の月刊誌「GLOW」と朝日新聞社を中心に発足したのが「Aging Gracefullyプロジェクト」です。このプロジェクトも今春から2年目。3月2日には、Aging Gracefully(AG)世代のための美容や睡眠、食をテーマにした「Aging Gracefullyフォーラム 2019 女性の健康と美を考える」が、有楽町朝日ホール・スクエア(東京)で開催されました。
オープニング・トークには、厚生労働省健康局健康課課長補佐の橡谷真由(とちやまゆ)さんが登壇。2018年3月まで医師だったという橡谷さんは「自分事として女性の健康には関心がある」と前置きし、厚生労働省は「女性の健康を生涯にわたって包括的に支援する必要があると考え、関連する研究を推進し、その成果の普及や活用を目指している」と語りました。
続いて行われたセッション1は、「大人の美肌 ケアの変えどころA to Z」がテーマ。トータルビューティアドバイザーの水井真理子さんと、「GLOW」編集長の大平洋子さんが対談しました。水井さんはエステティック会社に12年間勤め、2014年に独立。肌を見るだけで、その人のスキンケア方法や食生活まで分かるという美容のプロ。大平さんは今、日本で一番売れている女性誌「GLOW」をけん引して8年目。このプロジェクトのメンバーでもあります。
水井さんは、「AG世代あるある」からトークをスタートしました。久しぶりに会った女友だちに言われてショックなのは、「大丈夫?」と心配されるひと言。逆にうれしいのは、「元気そうね」。何が元気そうかと言えば、顔色や肌のツヤ、その人がまとっている雰囲気から、相手はそう感じるのだと言います。
大人の美肌とは、この「元気そうね」につながる、ツヤのある肌のこと。水井さんは、「年齢を重ねると肌は老化します。肌に水分も油分も足りなくなり、残念ながらすべてが乾いている状況に向かいます」と、AG世代にとっては衝撃的な事実を言い放ち、会場には笑いとともに、どよめきが起きました。「でも、本当なんです。ツヤのある肌を作るためには、保湿がとても重要。外から塗って保湿するだけではなく、内側からサプリメントでのお手入れも大切です」(水井さん)。
ツヤのある肌をめざすなら、この時期、最も大事なのが紫外線対策。紫外線は3月から5月にかけて急上昇しますが、日焼け止めでのケアはどうすればいいのでしょうか。 「GLOW」で毎年、特集を組んでいるという大平さんは、この2、3年で日焼け止め化粧品が格段に進化していると指摘しました。「以前は白っぽく浮いたり、塗りにくかったりしましたが、最近のものはどれも塗り心地がよく、潤いとみずみずしさが出る。しかも、ファンデーションを塗ってもムラにならない。ぜひ3月から日焼け止めを使ってください」(大平さん)。
また、水井さん自身のスキンケアは、洗顔、化粧水、美容液、クリーム、日焼け止めといたってシンプル。基本的にはそれで保湿対策は万全なのですが、実はケアの仕方が間違っている人が多いとのこと。「それで保湿できていない人が多いんです」(水井さん)
例えば、洗顔。お湯で洗う、こすって洗うはNG。皮脂も減ってきているので、洗い過ぎは乾燥につながり、どんどんツヤから遠ざかってしまうとのこと。「手の温かさと同じくらいのぬるま湯で、やさしく洗うのがポイントです」(水井さん)。ふだんどのようにクレンジングしているか、参加者に手まねでやってもらいながら、「指の力を入れすぎないようにするのがポイントです」とアドバイスしました。
セッションでは、POLAのB.Aのスキンケアラインのサンプルが参加者に配られました。水井さんは、実際に手につけて試してもらいながら、正しい塗り方を伝えました。肌にパンパンとはたくようにつけるのではなく、やさしく入れ込むようにつけるのがポイント。参加者はそれぞれ手のひら全体を使って化粧水を手の甲に入れ込むように塗り、しっとり具合を楽しそうに確かめていました。
セッションも終盤にさしかかり、水井さんが言います。「しみが、シワが、と欠点ばかりに目を向けるのではなく、鏡を見て『今日の私はこういう感じなのね』と認識し、そこから化粧水をやさしくつける。そして、美容液、もしくは乳液、クリームなどをつけていく。そうすると肌がふっくらしてくるんです。次第に、肌はやわらかくなっていきます」。さらに、こんな心強いメッセージも。「スキンケアは誰かがやってくれることはありません。自分で積み重ねていくもの。でも、手をかけてあげればあげるほど、年齢に関係なく、肌は応えてくれます」
最後に水井さんは言います。「AG世代は忙しいと思うので、毎日でなくてもいいけれど、1 週間に1、2回は自分の顔を鏡で見て、『頑張っているね』って褒めてあげてほしい。丁寧に肌に触れる時間を意識してつくることが大事です」。そして、シワができないよう、笑わないようにしている若い女性がいることを挙げ、「シワが増えることより、笑顔の多い人生の方が断然、豊か。お手入れがたとえ三日坊主になっても、そこからまた再開すればいい。こつこつとマラソンのように、美肌づくりをしてほしい」と熱く語りました。
それを受けて大平さんも、「大人の時間ってすごく長いですからね、ゆるっと、優雅に、自分らしく生きるのが一番ですよ」と、力を抜くことの大切さを、さりげなく話してくれました。
水井さんのアドバイスはどれも具体的で、その日から実践できるものばかり。大平さんは参加者を代表して細かなことを質問してくれるので、より分かりやすいセッションになりました。参加者の方々の表情もすっかり明るく、笑顔があふれる中、終了しました。