おうちで旅を楽しもう
憧れます!海辺での暮らし<PART2>
GLOW presents ライフスタイル マインド インテリア
[ 21.09.13 ]
<PART1>に引き続き、海へのアクセスが容易なエリアに住むファミリーに、海辺の暮らしを選んだ理由、実際に暮らして感じたこと、心境の変化などを伺いました。心地よく生きるヒントが満載です!
“いつか”ではなく“今”。
自分たちの人生を生きようと行動に移しました
- 不妊ピア・カウンセラー
池田麻里奈さん
自身の経験、知識を活かして自宅でカウンセリングを実施。著書に『産めないけれど育てたい。不妊からの特別養子縁組へ』(KADOKAWA)がある。現在、夫と2歳5ヶ月の息子と暮らす。
降り注ぐ日差しや海風が心地いい
サーファーズハウスをイメージ
家を建てる上でいちばんこだわったのは、開放感のある吹き抜け。
たとえ砂が入っても味わいになるような、カリフォルニアテイストで統一。
庭の一角で季節の野菜を育てています
朝の日課は、家庭菜園のチェック。芋虫を箸で取り除くひと手間も楽しんでいる。
「息子が来てからは、虫や鳥の観察など、身近な自然との触れ合いも教育になっていると感じています」
いつでも気が向いたときに 海を眺められる幸せ
稲村ガ崎は美しい夕日が有名で、地元の人はもちろん観光客にも人気。
「フラッと海に行き眺めていると、1日の疲れが消えます。毎日違う空、海の色が楽しいです」
変わらず側にある自然に助けられる日々です
池田さんご夫婦が都心から稲村ガ崎に引っ越したのは4年前のこと。
「子どもができたら海の近くで暮らしたいね、というのは結婚当初からの合言葉だったのですが、長期間の不妊治療や仕事の忙しさなどで、10年近く自分たちの理想の暮らしが後回しになっていました。
重い腰をあげるきっかけは、テレビで観た映画『海街ダイアリー』。その日、子どもを授かるのを待っているのではなく、自分たちの人生を生きようよ、という話をしました。翌日、海辺の不動産さんを訪ねたんです」
庭のガレージは、ご主人の趣味部屋でありリモートワーク中の仕事場。庭の木々が作る木陰が心地よく、涼やかな空気が流れる。来客用のトイレブースも庭に設置して利便性をアップ。
土地を見つけ、家を建て、庭を作るという壮大なプロセスは、熱量と勢いで前に進みつつも、長年夫婦で温めてきたイメージの蓄積のおかげで、マイペースに楽しみながら形作っていくことができたそう。
「その後、縁あって息子を家族に迎え入れることができ、2人暮らしが3人暮らしに。今は、ずっと思い描いていた自然の中での子育てができてとても幸せです」
左:カフェを開くことも視野に入れて作ったパティオ。
右:庭にDIYしたピザ窯。「コロナ禍の前は、仲間を呼んでたまにピザパーティをしていました。菜園で採れたローズマリーや地場のシラスを入れたピザが大好評でした」
庭で採れた山桃で作ったジュースを飲むなど、自然の恵みを感じながら季節に寄り添う暮らしは、子どもの成長にもいい影響があるはず。
「移住して4年、自然の中にお邪魔しているという感覚がずっとあります。気づきや発見が絶えないこの地で、年を重ねていくのは豊かなこと。
地元愛を持って楽しんで暮らしている仲間たちからも刺激をもらって、毎日が充実しています」
窓が多いオープンキッチンは、明るく開放的。夫婦ともに料理好きなので、2人でも動きやすい広めの空間に。
海外のメーカーの木製ピアノ。鍵盤のサイズは通常と変わらないけれど、全体にコンパクトなため、圧迫感なくインテリアに馴染むところが魅力。
出典:「GLOW」2021年9月号
撮影=大森忠明 取材・文=土谷沙織