ヴィーナス期の自律神経にも「サ活」は有効!
GLOW presents ヘルスケア 更年期 ハウツー
[ 22.04.18 ]
サウナで「ととのう」現象は、自律神経とも密接な関係にあった!
そんな医学的根拠を探るべく、自律神経の名医であり、週5で通うサウナーでもある小林弘幸先生にお聞きしました。
※GLOW世代特有の体の変化期である更年期を「ヴィーナス期」と表現しています。
- 順天堂大学医学部教授
小林弘幸先生
自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。『自律神経の名医が教える!サウナのトリセツ』(学研プラス)、『腸活にいいこと超大全』(宝島社)など著書多数。
サウナは血管の筋トレ。
血流アップでさびついた自律神経が動き出す!
私たちの生命活動を24時間、365日支えている自律神経。ヴィーナス期に起こる体の様ざまな不調も、自律神経のバランスが深く関係しています。
「男性は30代、女性は40代から自律神経のバランスが崩れやすくなります。さらに今はコロナ禍でストレスが増大し、自律神経で見ると交感神経が優位に傾きがち。座りっぱなしの在宅勤務で体を動かさなくなり、血流が滞ってうっ血している人が多く見られます。“健康=血流がよいこと”なので、その血流をコントロールしている自律神経を整えることが大切に」
サウナには、自律神経を整える効果があるのでしょうか?
「高温のサウナで体を温め、すぐに水風呂や水シャワー、外気浴で体を冷やす……この急激な温度差によって、自律神経に適度な刺激を与えることができます。この時、血管は一度ギュッと収縮してからすぐに拡張されるため、滞っていた血流がスーッと流れ出します。この瞬間に人は心地よさを感じ、“ととのった”という状態になるわけです。まさにサウナは“血管の筋トレ”ともいえますね」
サウナで健康効果を高めるためのポイントはありますか?
「サウナや水風呂でじっと耐えて息を止めがちですが、呼吸を意識しましょう。前屈み、猫背をまっすぐ伸ばし、ゆっくり呼吸することで血流がよくなり、自律神経が整います。サウナの中での軽いストレッチも効果的。入る時間や温度、スタイルなどに絶対的な決まりはなく、それが我慢やストレスになるならむしろ逆効果。自分にとって気持ちいいと思える入り方を見つけ、それを継続していくことが健康への近道となるでしょう」
自律神経=交感神経×副交感神経
ふたつのバランスが重要!
コロナ禍でずっと優位な状態に!
交感神経
わかりやすく車の機能に例えると、交感神経はアクセルの役割を果たすもの。
優位になると、血管が収縮して血圧が上昇し、気分もアグレッシブに。血圧を高めることで俊敏に体を動かせるよう備える。また、ストレスが加わると、体や頭がそれに対抗しようとして交感神経の働きが過剰に。興奮や緊張、イライラも交感神経が優位な状態にある。
女性は40代から低下してしまう!
副交感神経
一方、副交感神経はブレーキの役割を果たすもの。
その働きが優位になると、血管が拡張して血圧が低くなり、体は穏やかなリラックス状態に。血圧を下げることで、体を休める状態に整える。くつろいでいる、睡眠時は副交感神経が優位。加齢によって自律神経のバランスが乱れやすくなるが、特に副交感神経の機能が下がりやすい。
「サ活」の3ステップで自律神経が整う!
小林先生のサウナアドバイス
●サウナ中はゆっくり大きな呼吸を意識。自律神経が整う+呼吸筋 の筋トレにも!
●水分補給はしっかりしよう。消化管を動かし、副交感神経アップをサポート
●熱い・冷たいを我慢しすぎるのはストレスに。自分が「気持ちいい」と感じる入り方で
出典:「GLOW」2022年4月号
イラスト=平松昭子 取材・文=青木麻理〈tokiwa〉