Hello Femtech
もっと話そう!“メノポーズ”-更年期-
GLOW presents 更年期 マインド ヘルスケア グローバル
[ 22.06.06 ]
フェムテックという言葉が少しずつ浸透してきましたが、GLOW世代が直面するメノポーズ(=更年期)についてはまだまだ話しにくいと感じませんか?
メノポーズで起きる問題は人によって生じる年齢も、症状も深刻度もまちまちなうえに仕事や子育て、親の問題も重なって複雑で根深い……。なのにひとりで思い悩んでいると自分を追い込むことに。メノポーズの話はタブーという思い込みを捨てて、明るく話したらカラダも心も軽くなれるはず!!
2025年までに推定11億人の女性がメノポーズに!
世界で高まるメノポーズへの動き
アメリカ
ミシェル・オバマがPodcastでホットフラッシュ体験を語る
『お母さんが絶対に教えてくれなかった女性の体についてシャロン・マローン医師と話す』回で、ホルモン療法をスタートする前からホットフラッシュがあったことを告白。また、夫のバラク・オバマ元大統領の周囲には更年期を経験した女性が多かったので、ホットフラッシュが起きている女性に気づくとエアコンをつけるよう促したエピソードも語った。
イギリス
#MakeMenopauseMatterキャンペーンが政府を動かす!
2021年10月にイギリス議会は更年期に関する対策を議論する臨時のチームを設置。医療従事者に対して、また職場での更年期の理解促進に取り組むことを発表。政府が動いたのは、45才の時に子宮と卵巣を摘出して更年期障害が起きていたダイアン・ダンゼブリンクが2015年に始めた更年期に関する情報発信をする「Menopause Support」がきっかけ。その後、国会やメディアが取り上げ、有名人が更年期を語ることで広がりを見せた。
日本でも…
女性の更年期障害の調査研究を実施、支援策検討へ
2022年2月7日に岸田首相は女性の更年期障害が日常生活に与える影響についての調査研究を2022年度から実施することを明らかに。「研究成果を支援施策につなげていきたい」と述べた。
メノポーズ悩み、身近な人に話せていますか?
更年期由来の体の不調や心の不安を抱え込んで悶々と過ごしていませんか?家族にイライラをぶつけていませんか?更年期の女性とそのパートナーが理解し合うためのアプリ「よりそる」代表の高本さんにお話をうかがいました。
- よりそる代表
高本玲代さん
アプリ「よりそる」が『あさイチ』、『日経ビジネス』などで紹介され、取材が殺到。ポーラやデロイトトーマツで更年期の講習会も実施。SNSやnoteなどでパートナーがいる更年期女性のための発信を積極的に行う。
40〜50代のカップルは女も男も自分のことで忙しい
ご自身の更年期体験をもとに「よりそる」を立ち上げた高本さん。体の調子が悪い日が続き、起き上がれないほどの疲労感や関節の痛みもあった。そんな日が続いてご主人に家事の負担がかかるようになったある日、「何、家事をさぼってんの?」と言われたそう。
「あれは夫にも背景があって、彼の言い分としては私の体調が悪かった時期に、彼の仕事がすごく大変だったんですね。家でまったく何もしない人間ではなくて家事には理解がある方だったんですけど、私の体調が悪いことと、彼が仕事でいっぱいいっぱいになっていた時期が重なって彼自身も辛かったことがあとでわかりました」(高本さん)
問題は女性が自分が辛いことを話さないし、男性も辛いと言わない相互のコミュニケーション不足。
「更年期の時期って女性も男性も自分のことで手いっぱいで、心に余裕がなくなりがち。本当はそんな時こそ伝えなきゃいけないと思うんですけど。言わなくてもわかってくれるだろうという甘えが生じてしまうというのが根っこにありますよね」
カウンセリングはどんな感じ?
「更年期って難しくて、体調が悪くなるからメンタルがしんどくなるのか、その時期大変なことがあるから更年期症状もひどくなっていくのか、すごく複雑なんです。よりそるのユーザーはすごく不安を感じるとか、個別の深い悩みから体調をくずしてしまうというようなケースが圧倒的に多いですね。そもそも更年期の悩みを人に話すことがないので、話したり、文を書く中で気持ちが整理されていきます。それでLINEに書き込むのも有効なのです」
わざわざ更年期と言う必要はない
企業で講演をするなど自分とパートナーという枠を超えた社会的なアドバイスも行う高本さん。どのようなことを伝えているのか。
「女性にも女性だけの場なら更年期の話をするけど、そこに男性がいたら話したくないという人がいます。さらに人に更年期の話をしたい人・話してもいい人・絶対に話したくない人がいて、絶対に話したくない人が割と困っていますね。なので、職場では「更年期」という言葉を使わずに体調が悪いと話せばいい。その年代の体調の悪さの背景のひとつとして女性ホルモン由来のものがあるとわかっていればそれでいいと話しています。更年期の詳細を話さなくて済むだけで、ずいぶん不調を伝えやすくなると思いますよ」
ひとりで悩むよりパートナーと共有する方が断然いい!
「よりそる」ユーザーへの調査によると、ふたりの間にアプリが介在することで更年期の理解だけでなく、ふたりの関係性も改善したと答えた人が大多数。更年期のせいでパートナーとの仲が悪くなる前に悩みを共有することが大事。
2021年6月「よりそる」利用者データより
「よりそる」とは?
更年期にいる女性とそのパートナーのためのLINEを使ったコミュニケーションアプリ。アプリがふたりの間に介在して共通の質問を送り、アプリを通してパートナーの返答が知れる。面と向かうと話しにくい、言い合いになりそうなふたりの コミュニケーションを円滑にするのに役立つ。1日5分のLINEと、月最大5回のカウンセリングで1980円(税別)。
- 宝島社の「もっと話そう!Hello Femtech」
- 宝島社の女性誌11誌、男性誌2誌の計13誌合同によるフェムテック・フェムケア啓発プロジェクト。女性のカラダに関する正しい知識を身につけ、年齢・性別問わず言葉にして話すことを大切に考え、企業向けセミナーや読者向けインスタトークライブを定期的に開催しています。WEBサイトもチェックしてください!
(https://fashionbox.tkj.jp/femtech)
出典:「GLOW」2022年6月号