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プロジェクトメンバー対談
わたしたちのAging Gracefully【前編】

[ 18.05.15 ]

Project reportヘルスケアビューティーキャリア

by Aging Gracefully

「“若いよね”じゃなくて、普通に“きれいだよね”を褒め言葉にしたい(大平)」
「年齢を重ねたことで生まれる良さを評価してほしい(前田)」

アンチエイジングも美魔女もいいけれど、いま気になるのは、40代50代女性がポジティブかつ優雅に年を重ねていける「Aging Gracefully(エイジンググレイスフリー)」。欧米では浸透しつつあるこの概念を、日本にも広めていくべく立ち上がったのが、宝島社「GLOW」編集長の大平洋子さんと、朝日新聞社の総合プロデュース室主査の前田育穂さん。エイジンググレイスフリープロジェクトのコアメンバーであるお2人が、プロジェクトの背景や、エイジンググレイスフリー世代のひとりとしての本音を語ってくれました。

大平洋子さん
40代女性誌「GLOW」編集長。「CUTIE」編集部を経て、「SPRING」「InRed」編集長を経験。“40代女子”という言葉とともに「GLOW」を創刊。40代向け女性誌では売上No.1 の人気マガジンに成長させた。
前田育穂さん
サウジアラビア、ロサンゼルスなどで育った経験を持ち、朝日新聞社で文化くらし報道部、社会部の記者を経て、子育て世代向けのプロジェクト「WORKO!」、若者とつくる社会課題解決メディア「朝日新聞DIALOG」などに携わる。

―「GLOW」では、以前からエイジンググレイスフリーの前段ともいえる「ポジティブ美容」を提唱されてきましたよね。

大平
はい。2010年の「GLOW」創刊の時に、「ポジティブ美容宣言」を打ち出しました。女性の加齢を否定せずにいいところを伸ばしていこう、という主旨です。世間的には「変わらないね」とか「若いね」が誉め言葉だったりしますが、そうじゃなくてむしろ変わっていくことに美を見出すという価値観です。「若いよね」じゃなくて、普通に「きれいだよね」を褒め言葉にしたいんです。美魔女と呼ばれてる方には30代もいらして、「全然年下やん!美魔女っていうかふつうに美女だよね」って話になったり(笑)。若さよりも年齢なりの美しさを提唱する「ナレ美(熟れ美)」という美容キーワードを出した経緯もあります。今回エイジンググレイスフリーを取り上げることになって、「ポジティブ美容」を「ポジティブエイジング美容」と改めました。

―「エイジング」がついたことでどう変わりますか?

大平
抽象的ですが、より自分らしさが問われる美容だなって思うんです。自分が数十年後にどんな姿でエイジングしていたいか、自分でデザインすることが大事になるのではないかなと。エイジンググレイスフリーという言葉を聞いた時、「GLOW」でやってきたいろいろなことが全部重なって、生き方に繋がっていくようなテーマだなあと感じました。

―40代50代というと、「GLOW」読者がドンピシャですね。

大平
読者の平均年齢が45歳とド真ん中なんですが、「45歳の壁」という言葉が聞かれるように、若さと成熟の間で戸惑っている世代なんです。女子の圏外に追いやられていることをひしひしと感じるようになったとか、最近男が冷たいとか(笑)、切実なのは主に女子力低下問題とウエスト問題です。若い頃から変わらなかったデニムサイズを泣く泣くサイズアップしたり。ヒールが辛くなるなど体力も低下しますし、視力も低下してきます。読者はまさにいまそういった45歳の壁にドーン!とぶつかっています。そしてこの壁は、やる気とか気分とかでは解決できない、リアルで物理的な問題です。アラサーアラフォーは大人じゃなかった(笑)、45歳からがヒト科として、本当の大人の入口だったと実感していると思います。
前田
私は40歳になったところですけど、39歳から40歳にかけて急激に白髪が増えました。ウエスト問題は、たぶん他の人より早く来てると思います(笑)
大平
あっ、もう来ましたか?(笑)

―海外在住経験の長い前田さんですが、女性の年齢への価値観が日本とは違うなと感じられたことは?

前田
一般的に、女性に年齢を聞かないですよね。マナーという側面もあると思いますが、それよりも、男性同様にその人の経験やキャリアの具体的な中身を重視する社会だと思います。結婚や出産といったライフイベントも、日本のように「何歳だから●●適齢期」という形ではあまり言われない気がします。
メディアでも、経験を積んだ女性たちの活躍が目立ちます。たとえば、次期アメリカ大統領候補に、と盛り上がっているオプラ・ウィンフリーという、司会者兼俳優の方。アフリカ系アメリカ人として、苦労の多かった生い立ちをカミングアウトし、市井の人の目線から二十年以上トークショーのホストを務め、絶大な共感を得ています。
エイジンググレイスフリーについては、昨年、アメリカの女性誌「allure(アルーア)」が「私たちはアンチエイジングという言葉を使いません」という宣言をしました。年齢を重ねても自分らしく、という価値観は、今後ますます広がっていくと感じています。

―エイジンググレイスフリーの概念、日本でも定着するといいですね。

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