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子育ては、一瞬一瞬が初体験。
肩肘張らずに発見を楽しみたい

[ 19.08.05 ]

by GLOW

40代を迎えて映画、ドラマ、舞台へ、ますます果敢なチャレンジを続ける女優・篠原涼子さん。
家に帰ればひとりの家庭人として、日々成長する息子たちと向き合います。
多忙な中でも喜びをかみしめ、素直でいること。それが、彼女のAging Gracefullyな現在です。

忙しい時でも、息子たちへの手料理と
スキンシップは欠かさずに

 鬱陶しい梅雨でも、やがて来る酷暑の中でも、その名の通りいつも涼やかな存在感を発揮する女優・篠原涼子さん。現在公開中の映画『今日も嫌がらせ弁当』での役どころは、離島に暮らすシングルマザー。反抗期の娘とのコミュニケーションのため、ユニークな弁当作りに情熱を傾けるパワフルな母に扮している。

「ロケ先の八丈島は、海も空もすごくきれい。クジラやウミガメも見ました。毎日、明るくなったら起きて、めいっぱい仕事をして、夜は真っ暗な中で星を眺めて眠る。水がいいのか、食事も本当においしかったですね。人間として大切なものを取り戻せたような時間でした」

 仕事人として充実の時間を過ごす一方、やはり心を大きく占めるのは家族のこと。息子たちふたりはすくすくと成長し、それぞれ小学生になった。
「同い年の女の子と比べるとまだまだ幼いかもしれませんが、かわいいですよ。まだ一緒に寝てくれるし、お風呂も入ってくれるし。『ギューして』『チューして』なんて言ってくれたりすることもありますよ」

 彼らとのコミュニケーションにおいても、やはり手料理は大事な手段。
「息子たちは私が作るオムライスが好きなので、留守がちな時はよく作るようにしています。ケチャップで名前や顔を描いてあげたりして。お弁当を作る日もありますが、とくに上のお兄ちゃんのほうは、映画の中で作ったようなキャラ弁的なものにはちょっと抵抗があるかもしれませんね。下の子は我が道を行くタイプの男の子ですが、長男は繊細。どちらかというと、男っぽく振る舞いたいタイプの子なので……。でも時々、私のことを、まるで自分の彼女のように扱う時があるんですよ。ふいに頭を撫でてきたり、『こっちにおいでよ』『何でそんなに可愛いんだよ』なんて言ったりもして。ツンデレで、完全に私のほうが翻弄されてます(笑)」

前を開けて、後ろを結んで。アレンジ自在のシャツワンピ
「OL(役)時代が長かったから」今もシャツは日常着だという篠原さん。ワンピース3万3000円、パンツ2万4000円(ともにルシェルブルー/ルシェルブルー カスタマーサービス) バッグ13万2000円(J&M デヴィッドソン/J&M デヴィッドソン 青山店)

立派じゃなくても、
親子で一緒に成長していけたら

 しかし、時が経つにつれ、幼いばかりだった息子たちにも小さな自立心が芽生えているのを、日々感じるという。
「以前は『一緒にコンビニ、行く?』と聞くと、いつでも『うん!』と言ってついてきたのに、最近は『大丈夫。待ってる』みたいな答えが来て拍子抜けしたりもしますね。だから、仕事が忙しくて子どもとのコミュニケーションが取りづらくなる時は、ちょっぴり不安も感じます。『私のこと、どんなふうに思ってるんだろう?』と聞いてみたくても、なんとなく聞きづらいような……」

 母親としての自身は「ぜんぜん、立派じゃありません。こんな親で申し訳ないと思うことも多々」と篠原さん。誰にとっても子育ては、一瞬一瞬が発見の連続だ。しかし、家族としてともに時間を重ねる中で、最初は張りがちだった肩肘が、少しずつ緩みつつもあるのも実感しているという。
「とくに長男の時は、すべてが親としてはじめての体験。でも、なるべく彼の自由に任せようとは最初から思っていました。そのほうが彼の性格的にも向いているような気がしたので、あまり過保護にならず、でも甘えてきたらきちんと話を聞く、というふうに。次男は父親(俳優の市村正親さん)そっくりで、お腹の底から出る声ですごくよくしゃべります。次から次へいろんなことを言ってくるので、もう大変。でも『うるさいよ』と言うとシュンとしちゃうので、最近は父親の場合と同様に、右から左に流すことを覚えました(笑)。こうやって、子も親もお互いに大人になっていくんでしょうね」

デザインワンピはシックな色をシンプルに
一見ベーシックな色と素材だからこそ、ユニークなカッティングやアシンメトリーな裾のデザインが映える。レギンス&スニーカーでスポーティーにドレスダウン。ワンピース4万9000円(エンフォルド) レギンス2500円(ジュウナナドシー/ブロンドール 新丸の内ビル店) スニーカー8万5000円(ジミー チュウ) バッグ7万4000円(ラグ & ボーン/ラグ & ボーン 表参道)

いずれ迎える自立の時。
それまではしっかり甘えてほしい

 映画のクライマックスでは、娘の決意を促すため、篠原さん演じる母はあえて強い態度を取る。まさに〝獅子が我が子を千尋の谷に落とす〟格好だが、自身ではまだその覚悟が持てないと言う。
「ふたりとも自立心のある子になってほしいとは思いますが、そう急がなくてもいいかな?とも思いますね。いずれ自分の足で立とうとする時が必ず来るはずだから、甘えられる今のうちはしっかり甘えてほしいな、と……。もちろん、息子たちが自立したいと思った時は心から応援したいし、頑張っていたら『よくやってるね』と褒めてもあげたい」

 やがて来る子どもの自立の時は、親の自立の時でもある。時を重ねて手に入れるその瞬間を、いかに優雅に迎えるかは、大人としての篠原さんの、これからの課題だ。
「どうなるんでしょうね……。実は私、旅行とかひとりで行くの、あんまり得意じゃないんです。いつでも家族と一緒がいいなぁって。だから、子どもに拒否されないうちは、やっぱり子どもの側にいたいなぁと……でもやっぱり、そのうち『あっち行ってて』って言われるのかな。どうしよう!(笑) でも、私が普段からこんなふうだから、『俺がしっかりしなきゃ』って、きっとどこかで思ってくれてると信じてます」

肌感を引き立てる異素材切り替えワンピ
「スニーカーを合わせるモード感もいいですね」と篠原さん。ワンピース3万7000円(ザ・リラクス/ザ・リラクス フィッティングハウス) スニーカー9990円(アディダスオリジナルス/アディダスグループお客様窓口) ブレスレット※10本セット16万円(セルジュ・トラヴァル/アッシュ·ぺー·フランス)

出典:「GLOW」2019年8月号
撮影=YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉 スタイリング=大沼こずえ〈eleven.〉 ヘア&メイク=岡野瑞恵 取材・文=大谷道子

篠原 涼子Ryoko Shinohara
1973年生まれ。近年の出演作に、ドラマ『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか⁉︎〜』、映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『人魚の眠る家』、舞台『アンナ・クリスティ』などがある。
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