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自分を変える価値観との出会いを
貪欲に求め続けたい

[ 20.02.12 ]

by GLOW

2018年に結婚を発表後、日本とオーストリアを行き来しながら活動している女優・中谷美紀さん。
仕事では次々と作品に取り組みつつ、プライベートでは新しい場所に身を置き、さまざまな刺激を受ける身。大人の日々、心身を健康に保ち、より充実した時間を過ごすために心がけていることとは?

タイプの異なる
タフな大人の女性たちを体現

 ニットにパンツ。ジャケットにデニム。ワントーンで決まるレイヤードスタイル。その涼やかな個性でどんなスタイルも自在に着こなす中谷美紀さん。昨秋に放送されたドラマ『ハル〜総合商社の女〜』で見せた、クールなオフィススタイルも記憶に新しい。

「アメリカ帰りの女性という設定でしたので、ワーキングウーマンの服装としても保守的になりすぎず、どこかに鮮やかな色が入っていたり。ビジネスシーンの中で許容範囲ではありましたが、その中ではかなり攻めたものになっていました」

 ファッショナブル、という点では、2月27日からNetflixで配信されるドラマ『Followers』も見逃せない作品だ。監督を務めるのが写真家としても知られる蜷川実花さんだけあって、独自の色彩感覚にあふれた華やかな画面が期待される。

「ジバンシィやマルジェラ、セリーヌなど、通常の作品ではなかなか着られないモードなお洋服がたくさん登場します。私が演じるリミという女性は人気写真家で、仕事も家族を持つこともどちらも諦めない女性。自分の分母を200パーセントに増やそうとするがゆえに、ときには悩みも深くなりますが、それでも諦めないタフな人です。そうしたところでも『ハル』同様、女性の多様な生き方を肯定する作品になっていると思います」

1枚で重ね着が完成。心躍るデザインニット
「パンツの差し色も効いてますね」と中谷さん。カジュアルになりすぎないよう、レディライクなパンプスを合わせて。ニット5万5000円、パンツ3万5000円(ともにロエフ/ユナイテッドアローズ 青山ウィメンズストア) イヤリング1万4000円(イリス47/デ・プレ) パンプス5万2000円(ペリーコ/ウィム ガゼット ルミネ新宿店)

ラクなことを惰性でこなすより、
新鮮な気持ちで取り組める挑戦を

 1月からはユニークな救命救急医たちの活躍と奮闘を描いた『病室で念仏を唱えないでください』に、医師役として出演中。商社勤務、人気クリエーター、医師と、世界の異なるトップエリート役が続く、旺盛な仕事ぶりだ。

「私自身、移り気な性質でして(笑)。仕事を惰性でこなすようになってしまうと、どうしても自分自身が飽きてしまうので、毎回、新鮮な気持ちで取り組めるかどうかが大切で。そういった意味で、新たな役との出会いは常に求めていますね。先端医療などにも普段から興味を持っていたので、医療もののドラマのオファーはうれしかったです。自分でも救急外来にかかった経験がありますが、医師にとって命の危機に直面することは日常です。それゆえ冷静かつ迅速な治療をしつつも、同じ人間だからこそ抱える葛藤を表現できればと日々励んでいます」

 仕事が充実を極める一方で、結婚後は日本とオーストリアの2拠点を行き来。もうひとつのベースとなったウィーンは、古くから芸術の気風漂う優雅な街。中谷さん自身も、古典からモダンまで日々、さまざまな芸術に触れている。

「オペラでもコンサートでも、『最近、何を観た?』『あそこにはもう行ったの?』といった会話が日常、当たり前のように交わされています。いわゆるエグゼクティブの方々もそうですし、私たち一市民も普通にオペラを鑑賞できる。最も手頃な立ち見席ですと日本円で500円少々だったりするので、若い方でも気軽に楽しんでいますね。何より、文化を生み出すことに対して、国も人々も惜しみない支援を行う、芸術至上主義のお国柄は、本当にうらやましいなと思います」

シャツ×ジャケットでハンサムなレイヤード
「マニッシュなアイテム、大好きです」という中谷さん。ジャケット13万5000円、メンズサイズのシャツ7万8000円(ともにマディソンブルー) デニムパンツ2万円(SERGE de bleu/ショールーム セッション) キャミソール1万8000円(デ・プレ) レザーバングル1万4000円(メゾン ボアネ/ウィム ガゼット ルミネ新宿店) イヤーカフ4万5000円(ヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)

芸術至上主義。エコロジー。
新しい街での暮らしが教えてくれること

 文化、芸術だけでなく、エコロジーでも世界の先端をいくオーストリア。実際に生活をしながら触れる、その意識の高さに驚かされているという。

「同じ紙でも、新聞紙、段ボール、牛乳パック、卵のパックと細かく分別しなくてはならないですし、プラスチックの数種類を合わせると、リサイクル項目は10種類以上はあるのではないでしょうか。でも、あちらの方々にとっては、それが当たり前のこと。省エネといっても、単にお金を節約するということではなく、自然を守るためにやっているという感覚なんです。私は安価で利便性が良いという理由で電力会社を選んでいましたが、あちらでは、多少料金が高くても環境に負荷の少ない発電をしている会社を選ぶ方が多く、頭が下がります。スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんの活動が欧州で高く支持されているのも、自ずと頷けます」

 日々の生活を律する以外にも、余暇をしっかり取ってリフレッシュするなど、行って、触れて、体験して得た感覚を、柔軟に自分の中に取り込む。「今までの考えの足らなさを恥ずかしいと思う気持ちもありますが、まずは知ることからですよね」と中谷さん。忙しい中でも、大人としてのあり方は、着実に変化しつつあるようだ。

「季節ごとに様々な喜びがあります。春から秋は山歩きをして苔を眺めたり、冬は雪原を歩いたりと、自然を満喫しています。QOL(クオリティー・オブ・ライフ)の高さは、自然に親しむ機会の多さと比例するような気がしているんです」

ラテカラーのワントーンでエレガントな旬スタイル
中谷さんも、「今季はビッグシルエットのコートを探し中」とのこと。コート14万8000円(マディソンブルー) ニット3万6000円(アパルトモン)、シャツワンピース3万9000円(アーチ ザ)、パンツ3万2000円(クチュール ド アダム/すべてアパルトモン神戸店) パールイヤーカフ2万6000円、ダイヤモンドイヤーカフ3万8000円(ともにヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ)

 

出典:「GLOW」2020年1月号
撮影=伊藤彰紀〈aosora〉 スタイリング=岡部美穂 ヘア&メイク=下田英里 文=大谷道子

中谷 美紀 Miki Nakatani
1976年東京生まれ。近年の出演作にドラマ『ハル〜総合商社の女〜』、映画『ボヤージュ・オブ・タイム』(日本版語り)、舞台『黒蜥蜴』などがある。TBS金曜ドラマ『病室で念仏を唱えないでください』(22時〜)が好評放送中。Netflixオリジナルシリーズドラマ『Followers』は2月27日から世界190カ国へ独占配信。
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