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家族のこと、仕事のこと。大切にすべきことは何?
あらためて考え、対話した日々でした

[ 20.08.17 ]

by GLOW

自粛と活動、その合間をさまよいながら過ごす、2020年の私たち。
俳優であり、ファッションブランドのディレクターであり、そしてひとりの家庭人でもある板谷由夏さんも、そんな揺れる大人のひとりでした。
家族とともに考えたこと。ひとりで心がけたこと。ステイホーム期間に得たもの、あらためて発見したことを、振り返ります。

毎日3食、家族と一緒に。
あらためて家庭の、仕事のありがたみを感じた

この日の取材は、『GLOW』9月号(7月28日発売)と同タイミング。旧知の料理研究家・サルボ恭子さんのアトリエでニース風サラダの作り方を習った板谷由夏さん。春のステイホーム期間は、家でひたすら家族のためにキッチンに立っていたという。

「以前は、1日のうちに1食は家族全員で食べるようにしたいねと言っていたんですが、私は仕事が中止になり、子どもたちも学校が休校になったので、家族全員が揃って3食、一緒に食べられたんですよね。毎日毎日、朝昼晩、朝昼晩と作るのは大変でしたけど、思えばこんなにみっちり一緒にいられる機会はなかったから、そのことはすごくよかったんじゃないかと思います」

料理家・サルボ恭子さんに教わり、ニース風サラダを作る板谷さん

食事以外も、家にいるふたりの息子さんたちの生活サイクルに合わせ、規則正しいライフサイクルに。

「以前は、彼らが寝てからの2時間か3時間に仕事の準備をしたり、映画を観たりして夜更かしになっていましたが、これを機に、一緒に寝て早起きして時間を作るやり方に変えました。外出せず、不摂生しないからストレスもないし、肌の調子もすごくよくなって(笑)。でも、こうしてみると、仕事の時間が私の自由時間であり、息抜きもできる貴重な時間でもあったんだな……と、あらためて感じましたね」

自分はどうしたいのか?
若者も大人も、意志を持たなければ

学校での授業がなくなった分、自粛期間は家庭でのすべての時間が学びの時間に。とくに小学6年生の長男とは、一緒にニュース番組を観るようになり、時事問題についての対話が増えた。

「年齢的に視野が広がりつつある時期だということもあって、何にでも興味を持ちますね。コロナウイルスのことだけでなく、日米関係だったり、ちょうど今、社会で習っている三権分立のことだったり……。観ていると『これってどういうこと?』と次々と質問が飛んでくるので、親としては気が抜けない(笑)。そしてこの先、どういうふうに生きていきたいのか?といった話も、少しできたりして」

母親として、そして社会人としての先輩である板谷さんが説いたのは、「自分がどうしたいのか、はっきり決めなさい」ということ。自分で考える、その力と感性を養ってほしいという。

「皆が右だと言っても、左に行きたいと思ったら左に行きなさい、ということですよね。私たちの時代もそうでしたが、日本の教育って、どうしても右ならえというか、なんとなく同じ方向に……という感じで、流されてしまいがち。でも、もっと強い意志を持って生きないと、これからの時代はやっぱりだめなんじゃないかと思います。でも、むしろ若い子たちのほうがしっかりしているような気が、私はしていますね。仕事の場でも、20代の若い人と話していて、自分の考えがしっかり定まっている人が多いなぁと感じるので。息子たちはまだ考え始めたばかりですが、それでもこの先、彼らから教わることもたくさんあるんだろうなと思っています」

板谷さん衣装:オールインワン8万4000円(ヴィヴィビー/イーストランド) エプロン1万4700円(イートリップ/イートリップ ソイル) ピアス2万円(ブラン イリス/プラージュ代官山店) ネックレス3万7000円(マリハ/ショールームセッション)

イライラ、モヤモヤするときは
ジュエリーの魔法を借りて

対話を重ね、理解を深める。コロナ禍にあって、これは理想的な親子の姿……と思いきや、「イライラしていたときだって、もちろんありましたよ」と板谷さん。茶目っ気たっぷりの笑顔を見せた。

「いちばんやっかいだったのは、息子たちのケンカを止めることでしたね。『うるさーい!』って。あと、何度言っても勉強を始めないときも、キレましたねぇ。『ママ、家出するからね!』と言っても、どこにも行くところがないから、そういうときは庭でお茶を飲んだり、家庭菜園の草取りをして、むしった草をブン!って投げたり(笑)。毎日のことだし、この自粛期間はそれなりに長引くだろうなぁと最初から予想していましたから、まあ、最後は諦めモードでした」

気分が沈むときの特効薬は、「ジュエリーをつける」。これは、自身の体験から編み出した方法だという。

「出産して家に1カ月、2カ月とこもっていたある日、鏡を見て、自分がすごく疲れた顔をしているのに気付いたんです。そのとき、せめて耳元だけでもジュエリーをつけようと決めました。つけてみると、やっぱり顔映りがよくなるし、鏡を見たときに落ち込まなくて済むから。ステイホームの間はほぼTシャツにジーンズ、エプロン姿で過ごしていましたが、それでも耳元にジュエリーをつけて、口紅をつけるだけで、何かが変わるんですよね。元気が出ないときに、おすすめします」

出典:「GLOW」2020年9月号
撮影=西崎博哉〈MOUSTACHE〉 スタイリング=百々千晴 ヘア&メイク=面下伸一〈FACCIA〉 文=大谷道子 料理・テーブルスタイリング=サルボ恭子

板谷 由夏 Yuka Itaya
1975年福岡県生まれ。99年、映画『avec mon mari』で女優デビュー。最近の出演作にドラマ『やすらぎの刻〜道』、Netflix『Followers』、映画『37seconds』など。最新出演ドラマ『13(サーティーン)』が8/1から放送開始(土曜23時40分〜・全4回)。9/19から放送のNHK『天使にリクエストを〜人生最後の願い』に出演予定。ファッションブランド「SINME」ディレクターとしても活動。
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