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いま、この瞬間の自分にしか
できないことを、思い切り。

[ 21.01.04 ]

by GLOW

思うように活動できない、人に会えない日々が続いた2020年。
そんな中でも頑張ってきた人には、きっと手の中に何かが残っています。
俳優・吉田羊さんが、困難な日々を経てあらためて実感したのは、人との絆のありがたみ、そして、情熱を持ち続けることの大切さ。
今年一年のファイトは、必ず、来年の飛躍につながります。

恋する母。クールな敏腕刑事。
どれも私の「本気」です

新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ止まず、世は不穏な状況に置かれたまま。ゆえに、テレビの中の世界にひとときの楽しみと安らぎを求めたのが、私たち。俳優・吉田羊さんはそのニーズに応えるひとりとして、感染を注意深く避けながら撮影に勤しむ日々を送った。

先日、大好評のうちに最終回を迎えた連続ドラマ『恋する母たち』では、家庭を持つ身ながら年下の部下と恋に落ちるキャリアウーマン役で、新境地を開拓。「とにかく、リアルに恥ずかしかったです」と照れ笑いを見せた。

「単純に、不慣れなんですよね。これまで強い女性の役をいただくことが多くて、どちらかというと〝受け〟よりも〝攻め〟でグイグイいく役が多かったので……。若い男性に翻弄される様子を見て、視聴者の方に『吉田羊、本気じゃね?』と詮索されたらどうしよう? と。フフフ」


続いて、12月5日からはWOWOWの主演作『コールドケース3〜真実の扉〜』も放送開始。2016年放送のシーズン1から好評を受けて連作となったクライム・サスペンスドラマでは、その身に纏うムードを一変させ、迷宮入り寸前の難事件に取り組む敏腕刑事・石川百合役を演じている。途中、2カ月の収録中断という試練にも見舞われたが、回を重ねた現場の結束は堅固で、熱量をより増しての撮影が進められた。

「お休み中、捜査一課メンバーの最年長である三浦友和さんが『元気ですか?』『落ち込んでないですか』とメールをくださったのは、心強かったですね。三浦さんもそうですが、同じく刑事役の光石研さんも滝藤賢一さんも永山絢斗君も、この現場が大好きすぎて。収録が再開されると、それぞれ入り時間がどんどん早くなるんですよ。私より出番が後の方が先に来てくつろいでいるのを見ると、『どんだけ好きなんだよ!』って(笑)」

カーディガン4万3000円、ストール3万9000円、靴下3000円(すべてマーガレット・ハウエル/アングローバル) ハイネックシャツ3万5000円、オーバーオール6万5000円(ともにトゥジュー/トゥジュー 代官山ストア) ネックレス15万円、イヤーカフ2万3000円、リング[キャッツアイルチル]8万7000円、[ターコイズ&リューライト]12万5000円(すべてリニエ) 眼鏡3万1000円(ペルソール/ブリンク外苑前) ブーツ5万4000円(J&M デヴィッドソン/J&M デヴィッドソン 青山店)

仲間を信じ、絆に導かれて
役の枠を超えた、自分が滲む作品に

演じ手の意欲を支えるスタッフワークもまた、熱い。コロナの影響で、当初予定していたロケ先を借りることができなくなるという時節柄の災難に直面した際は、そのセットを丸ごと放送局の本社内に再構築するという力業で、見事に撮影を敢行したという。

「絶対に撮り切るんだという強い意志と、愛情を感じましたね。カメラが回っていないところでのこうした現場の熱意や絆というものが、今作にはより色濃く滲んでいるんじゃないかと思います」

クールな美貌も、クレバーな推理ぶりも前シリーズ同様。しかし、シーズン3の百合からは、どこかこれまでになかった柔和な、落ち着いたニュアンスも感じられる。

「もともと孤独な人でしたが、捜査一課メンバーとの関係が深まり、より人間らしくなった……というか。百合さんが心の奥底に抱えていた弱さや不安、そうしたものを、臆せず外に出せるようになったんじゃないかな、と思うんです。ここまで感情を出して大丈夫? と思う場面でも、監督から『むしろ、出しちゃいましょう』という声をいただいたりして、そうか、開放していいんだ、って」

これがシリーズ化の面白いところですよね、と吉田さん。周囲のムードだけでなく、演じる自分自身の変化が、作品にフィードバックされている手応えを感じたという。

「シーズン1からの5年間を経て、人との繋がりを感じ、その時、その瞬間の私にしか演じられない百合さんになってきたのかもしれません。あえてそのようにした、というよりも、ごくごく自然に……。あなたの思うように演じてください、という周囲の懐の深さによって、どんどん引き出されていったんだと思います。自粛期間、私は家での生活に専心していたので、ちゃんと復帰できるかどうか少し心配していましたが、始まってしまえば楽しかったし、仕事場で人に会えることが本当にうれしくて。そういう気持ちも、きっと画面から伝わっているんじゃないでしょうか」

プライベートの挑戦も、引き続き。
いつか夢を叶えられる日を目指して

日常が戻ってきた中でも、自粛期間中に始めた新しい挑戦は、いまも継続中。そう、過去にこのコラムで紹介した英会話の自主レッスンも、多忙な中、続けているという。

「頑張ってます! 撮影が忙しくなると、どうしても間が空いてしまうんですが、そうするとあっという間にレベルが元に戻ってしまうんですよね。英語学習は自習が8割、と言われていますが、確かに、人から教えてもらうことには限界がある。だったら、普段からいかに自分から英語に触れる時間を増やせるか、それにかかっているなぁと」

その工夫のひとつが、Instagramの投稿のコメント欄。日本語でのコメントに続いて、英語のコメントを必ず添えていること、皆さん、お気づきでしたか?

「ポストをするたびに必ず、と自分に課してますね。といっても、全部はなかなか翻訳できなくて、時には『日本語に比べて、短くない?』ってこともあるんですけど(笑)。でも、続けることに意味がある! と信じて」

前進するには、目標を持つこと。目下は「海外の映画祭に行った時、自分でスピーチができるように」と吉田さん。海外への扉が開き、目標にまた一歩近づけるー新しい年、そんな機会が訪れることを、ともに祈ろう。

出典:「GLOW」2021年1月号
撮影=生田昌士〈hannah〉 スタイリング=青木千加子 ヘア&メイク=中野明海〈air notes〉 取材・文=大谷道子

吉田 羊 Yoh Yoshida
福岡県生まれ。毎回の豪華ゲスト出演者にも注目が集まる連続ドラマW『コールドケース3〜真実の扉〜』は、毎週土曜夜10時からWOWOWプライムで放送中。吉田羊公式インスタグラム(@yoshidayoh_official)で、新作情報や日々の様子をチェック。
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