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衰えることもあるが、磨かれることだってある。
だからこそ、“年齢”は気にしない

[ 21.03.01 ]

by GLOW

長年所属していた事務所から独立。
個人事務所「Desafío(デサフィオ)」を立ち上げ、新しいスタートを切った。
2020年は米倉さんにとって変化に満ちた一年でした。
また、昨年は45歳という“節目”を迎えたときでもありました。

45歳、体や肌の変化を感じながら
「現実と向きあわなくちゃ」と思う日々

「そんな節目に背中を押された……なんて素敵なストーリーがあったらいいんですけど。正直、年齢は全く関係なくて(笑)。あくまでも独立したのは流れとタイミングなんです。特に昨年の誕生日は新型コロナウイルスの影響で自粛ムードが高まっている時期だったので、お祝いをすることもなく“気づいたら45歳になっていた”感じで。アラフィフの仲間入りだとまわりから言われることもなければ、自分自身も感じることもなく、節目を噛み締めるような機会も特になかったんですよね」

米倉さんは普段から年齢を意識していないそうだ。「今の私からすると、44歳も45歳も46歳も同じ。年をひとつ重ねたところで人間も人生もそんなに大きく変わりませんよ」と、カラッと気持ちよく笑う。

「ただ、自分自身では年齢を意識していなくても体がそれを感じ始めてはいますよね。

私、あまり自分の顔に興味がないので。じっくり鏡と向き合うこともないし、美容に関しては無頓着なタイプなんです。でも、今日みたいな撮影でも写真を確認すると、ちょっとした光の加減でシワや顔のくぼみが目立ったり……さすがに“そろそろちゃんと向き合わなければいけないな”と思うように。最近はアンチエイジングに効果のあるクリームを塗るようになったりして(笑)。体力に関しても同じ。ダンスレッスンでも、以前はぶっ通しで踊り続けることができたのに、今では一曲終わるたびに“ちょっと待って”の声が出てしまう。トレーニングに関しても、休むとすぐに筋力が落ちてしまったりして。これもまた“向き合わなくちゃ”の連続なんです(笑)」

挑戦に年齢は関係ない。
新しいことを始めるのに「遅い」はない

年齢を重ねるつれ“新しいこと”が怖くなっていく。
自分が築きあげてきたものを手放すのはとても勇気のいること。
でも、そこに臆することなく挑み飛び込み、新たな道を切り開いた米倉さん。
その姿は「挑戦に年齢は関係ない」と同世代の女性達に前向きな力を届けてくれる。

「そう言っていただけるのはうれしいのですが、独立してからの毎日は本当に大変で! 正直、思ったりもするんです。“あと2年遅かったら無理だったかもしれないな”って。そう思ういちばんの理由は体力ですね。やっぱり、新しいことや慣れないことを始めるためにはそれが必要。世間ではよく出産や子育ては早いほうがいいと言いますが、挑戦もまたそれと似ているのかもしれません。ただ、私自身は、挑戦に“年齢”は関係ない、新しいことを始めるのに“遅い”はない、そう信じている一人です。若い頃には難しかったことも大人になると受け入れてもらえたり、認めてもらいやすくなったり、年齢を重ねたからこそできる挑戦もたくさんあると思うので」

ブラウス2万9000円(ダブルスタンダードクロージング)、スカート3万2000円(ソブ/ともにフィルム) ネックレス26万円、ピアス26万円(ともにメシカ/メシカ ブティック 日本橋三越本店 本館6階)

年齢を積み重ねると当たり前だが若さは失われていく。でも、それは決して悪いことばかりではない。良いことに目を向けてポジティブに前を向く米倉さん。

「昔に比べると40代の今は小さなことに驚かなくなったかな。それは単純に経験が増えているからなんでしょうけど。皆さんも20代や30代の子の話を聞いていると“若いなぁ”と思うことありませんか? つらいと嘆く言葉に“まだまだ、もっとつらいことはあるぞ”と思ったり。以前は自分が未熟だからこそ年上の方の話に耳を傾けることが多かったのですが、最近はそんな若い子達の話も面白く聞けるようになってきました(笑)。同時に、上の世代の方からすると私もきっとまだまだ若い。経験を重ねたつもりになっているけれど、これからも新鮮に感じることや驚くことに出会うんだろうなって。それが楽しみでもあるんです」

水を与え、育て、実りを待つ。
人生にはそんな時期があってもいい

後ろを振り返らずに常に“今”や“未来”に目を向けて楽しむ。そんな米倉さんに「今の自分の好きなところを教えてください」とお願いすると、返ってきたのは意外な答えだった。

「なんでしょう……特にないかもしれない。自分の良さが全然わからないんですよ。
パッと思い浮かぶのは好きなところではなく足りないところばかり。例えば、今の自分に足りないのは柔らかさ。天真爛漫に見られがちなのですが根っこはネガティブ。とても堅くて四角いんです。削られていない部分が多すぎて、角があちこちにぶつかるから、常にあちこち擦り傷だらけ。なかなか丸くなってくれなくて」

そう笑いながら“今の自分に足りないもの”を次々に挙げていく。いつまでも自分に満足できない、満足しない。その足りない思いが米倉さんをエネルギッシュに走らせているのかもしれない。

「そうかもしれないですね。ただ、昨年からは新型コロナウイルスの影響で思うように走れない場面も多々ありました。でも、そんな時間もできるだけ楽しもうと。実は今、我が家はピーマンだらけなんですよ(笑)。ステイホームをきっかけに植物を育てはじめて。植木を買ったり、野菜を育てたり。そしたら、ピーマンとパプリカがどんどん育ってしまって。それを青椒肉絲にしたり追いかけるように消費する毎日。水をあげたり、剪定をしたり、面倒くさいことも多いんですけど、たまにはこういう時間もあっていいのかなって」

水を与え、育て、実りを待つ。それは今の米倉さんもまた同じ。

「今の私は人生の種まきを終えたばかりの状態。新しい環境の中でしっかり自分自身と向き合いながら、これからどんな実がなり葉が育つのか楽しみにしているところなんです。大変なこともあれば、不安になる日もあるけれど、その先に実りが待っていると信じて。私自身も人生も、まだまだ育てていけたらいいなと思っています」

出典:「GLOW」2021年3月号
撮影=YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉 スタイリング=野村昌司 ヘア&メイク=奥原清一 取材・文=石井美輪

米倉 涼子 Ryoko Yonekura
1975年生まれ。モデルデビュー後、活躍の場を芝居の世界に移す。『ドクターX〜外科医・大門未知子』や『黒革の手帖』で人気を博し、2012年にはブロードウェイで『CHICAGO』の主役を演じた。昨年春に事務所を離れ独立。今後の活躍に注目が集まっている。
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