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トップ / 雑誌カバー / 俳優は、舞台裏で作られる。座右の銘を胸に、一瞬一瞬を懸命に

俳優は、舞台裏で作られる。
座右の銘を胸に、一瞬一瞬を懸命に

[ 23.02.13 ]

by GLOW

新しい年の始まりは、誰にとっても身と心が引き締まるとき。さまざまな作品に出演し大人の存在感を示している中谷美紀さんにとっては、俳優デビューから30周年を迎える一年の始まりです。ドラマで、映画で、演じながら考えたこと。そして、来し方を振り返り感じること。一作一作に向き合い輝かしいキャリアを積む中で、一人の仕事人として感じる今、そしてこれからへの思いをうかがいました。

お声をいただけるから、今がある。
30周年の今年も、日々を大事に懸命に

「30周年という節目は、まったく意識していませんでした。もともと、あまり過去にこだわらない方で、起こったことは、いいこともよくないこともあっという間に忘れてしまうんです(笑)。そもそも、こんなに長く仕事をすることになるとも思っていませんでしたが、幸運にも才能あふれる作り手の方々との出会いがあり、お仕事をいただけて……。私たち俳優の仕事は、お声がかからなければ続けられないもの。本当に、ありがたいことだと思っています」

中谷さんはそう静かに、今の心境を打ち明けた。アニバーサリーイヤーとなる2023年は、年の初めから出演作の放送、公開が目白押し。1月22日にスタートしたWOWOWの「連続ドラマW ギバーテイカー」では、まな娘を殺した猟奇殺人犯と対峙(たいじ)する元教師の刑事というハードな役どころを、壮烈に演じている。

「母としても人間としてもこの上なくつらい、そんな経験をしたら、おそらくその後の人生に何の喜びも感じられないですよね。そうした役ですから、できれば撮影中は誰ともコミュニケーションを取らず、自分の役柄の中に閉じこもっていたい……という気分だったのですが、若い頃はそれで許されても、大人としてはある程度の社交性も保たなければなりませんので(笑)。撮影の現場では、協力によるモチベーションの維持も大事。そのあんばいが、今作はとても難しかったです」

緊張と弛緩、そのバランス。
ちょっとした負荷が、自分を成長させてくれる

続いて、1月27日に公開された映画「レジェンド&バタフライ」で扮するのは、織田信長の妻として戦国史に名を残す濃姫の筆頭侍女・各務野(かがみの)。かつて中谷さん自身も演じた濃姫を深い愛情で包む、聡明(そうめい)で情け深い大人の女性を体現している。

「信長と濃姫の逸話は何度も映像化されてきましたが、今回は純粋な愛の物語として描きたかったのだろうなと思いましたね。木村拓哉さん演じる信長には、孤高の存在にしか見ることのできない地平が見えているようで、それが大スターであるご本人とも重なり、時折恐ろしさを感じるほどの威厳を感じました。濃姫を演じた綾瀬はるかさんは、側にいるだけで幸せを感じられるほど愛らしい存在。大好きな綾瀬さんを追いかけていれば、私は自然と各務野になれたんです」

あるときは極限まで自分を追い込み、あるときはその場にいる幸福にひたすら身を浸す、俳優という仕事。「緊張と弛緩(しかん)、そのバランスが人生には大事」だと、中谷さんは言う。

「弛緩ばかりだと、頭も体も怠け過ぎてしまう。頑張らなくては、というちょっとした苦しみを感じる状態が、私を前に進ませてくれるんだと思います。本当は、一日中ゴロゴロしながら本を読んだり、動画を見たりしていたい人間なのですが」

演じることの背景にある、人としての経験と蓄積。
年齢とともに、より大切に思えるように

たおやかにほほ笑みながら、その心はすでに次のプロジェクトに向かっている。3月には自身初となる舞台のニューヨーク公演を行う中谷さん(同じ作品のモントリオール公演が初舞台だった)。新しくエキサイティングな試練が待ち受けているが、その胸には、常にひとつの言葉を置いているという。

「かつてドラマで演じさせていただいた白洲正子(しらす・まさこ)さんが残した『役者は舞台裏で作られる』という言葉が、心にずっと引っかかって、今では座右の銘のようになっています。もちろん、演じる仕事が大好きで、常にそれに没頭しているという生き方も素晴らしいのですが、私は年齢とともに、その背景にある人としての経験を大事にしたいと思うようになっていて……。たとえば、『ギバーテイカー』の撮影中に、共演している池内博之さんが畑で育てたケールをくださったんですが、地に足のついた暮らしをされている、その充実感がお顔ににじみ出ていらっしゃるのが素敵だなと感じましたね」

だからできる限り、意識して体を動かす。美術館を訪れたり、ときには外に出て自然に触れたり。そうした日常のひとつひとつの動作を大切にしたいと、中谷さん。そのことがまた、役にかえっていくのだろう。

「とにかく、今年も日々を大事に、ということですね。よく歩いて、深呼吸して、刹那刹那(せつなせつな)をただただ懸命に生きていくしかないと思っています」



撮影=伊藤彰紀 取材・文=大谷道子

中谷 美紀 Miki Nakatani
1976年東京生まれ。最近の出演作に、Netflix配信ドラマ「Followers」、映画「総理の夫」など。著書「オーストリア滞在記」も好評。WOWOW「連続ドラマW ギバーテイカー」は毎週日曜夜10時から放送、WOWOWオンデマンドでは全5話一挙配信中。映画「レジェンド&バタフライ」は全国公開中。舞台「猟銃」は3月16日から4月15日まで、ニューヨークのBaryshnikov Arts Centerで上演。
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Aging Gracefullyプロジェクト事務局:agproject@asahi.com
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