AG座談会 vol.1〈後編〉
「嫌なことはやめる」更年期を乗り切るために
Special ヘルスケア 学び ライフスタイル キャリア 更年期 対談
[ 23.11.29 ]
40代と50代、Aging Gracefully(=AG)世代の女性に訪れる更年期。心や体にさまざまな不調を抱えていても、誰にも相談できず、苦しむ方々は少なくありません。50代前半の女性たち6人が語り合うリアルな声を紹介する、座談会の後編です。
参加者(いずれも50代前半)
Aさん :会社員「仕事の効率が下がってきました。職場に同年代の女性はいません」
Bさん :会社員「コロナ禍に更年期を自覚しました。手の指がヘバーデン結節に(※)」
Cさん :会社員「この数年で体力の低下を実感。気持ちも落ち込みがちです」
Dさん :会社員「40代前半に閉経。50歳近くまで常にイライラしていました」
Eさん :病院勤務「コロナ禍のストレスで退職。最近、非常勤で復職しました」
Fさん :自営業「48歳から52歳まで『どん底』の4年間を過ごしました」
――体調がすぐれなかったり、気持ちが落ち込んだりするときに、何か対策をしていますか?
- F
- 一日8千歩を目標にして、楽しいことを考えながら歩くようにしています。そしてピラティス。集中して、何も考えない時間を作っています。
- D
- 更年期症状のピークでつらかったときは、近くの公園をよく走りました。じっとしているよりも、走ったら何とかなるかな、と思って。
- E
- 登山をしたり、ライブで歌ったり、美術館に行ったり。できるだけ好きなことをやります。
- A
- 私は推し活。BTSのファンです。
- B
- 私は東方神起のファン。韓国のライブにも仲間と一緒に行きます。ライブの日は、10代の頃に初恋の人に会うような感覚。年齢は関係なく、みんな乙女みたいになるんですよ。私も年に一回、コンサートのために化粧品を全部買い替えて服を新調します。みんながメイクを直すから会場のトイレは大混雑。ペンライトを振ってキャーッと声を上げて、健康になります(笑)。
「献立を考えられない」
――家事で困ったことはありましたか?
- C
- 私はもともと家事が好きではないし、献立を考えるのも苦手だったんですね。レパートリーが少ない、おいしくできない、時間もない、ということが悩みでした。それが最近、解消されたんです。3食ずつ4人分の主菜と副菜が届くというサービスを見つけて、スーパーで買うお総菜よりおいしいので助かっています。
- B
- 私たちは主菜と副菜をたくさん作らないといけないと思っている世代なんですよね。おかずがカレーだけだと自分を責めてしまうこともあって、若い世代は感覚が違うのかな、と。私は手の指がヘバーデン結節になって、家事だけでなく、仕事でパソコンを打つのに苦労しています。更年期のメンタル不調とも重なって落ち込みました。
- A
- 私の場合、更年期のピークだった2年間ぐらいは本当にしんどくて、メニューを考えることもできなかったので、全く料理を作りませんでした。息子たちは育ち盛りで「とにかく肉さえあれば!」という状態なので、夫に手伝ってもらって、「○曜日は◇◇」というように1週間分のメニューを先に決めたんです。例えば、木曜は中華で、土曜はウーバーイーツ、自宅でお昼を食べるときは冷凍のお弁当とか。私自身が判断することがしんどいときは何もしないようにして、判断する回数を減らしています。
- E
- 洗濯物をたたむ、棚にしまう……と、家事を細かく区切るようにしています。それぞれを一つの作業として考えて、家族にどれか一つを頼むこともあります。できる人がやり、忙しかったら拒否してもOK。そう決めてから、家族の中でもお互いに言いやすくなりました。
- A
- うちは乾燥機を買いました。雨が降って湿気が多いときに、子どもたちの服が翌日までに乾かないんじゃないか、というのがストレスの一つだったんです。今は乾燥機に入れられる服しか洗わないし、外に干さなくなりました。
――更年期を乗り切るために、実践していることはありますか?
- E
- 何を着るか、どこで食べるか、といった細かいことは、少し早めに、あらかじめ考えるようにしています。実現できるとうれしいじゃないですか。でも、嫌なことはやめる。嫌な飲み会には行かない。48歳の頃から嫌な飲み会に行けなくなったんです。食べたくないものを食べなくなったのと同じです。
- A
- 私も、気の進まない飲み会には行かなくなりました。そして、付き合いを整理して、年賀状もやめました。人生の時間は限られているし、自分が心地よいと感じる人とお付き合いしたいですよね。
- E
- 私もいろいろ整理したら少なくて済むことがわかったし、嫌なことをやめたら楽になりました。
- D
- 私も同感。嫌なことはやめればいいんですよね。今日、みなさんのお話を聞いて、お互いに気持ちをわかりあえること、そして、何よりも話すことが一番大事だと実感しました。ありがとうございました。
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