第4回AGカフェ
カクテルのイロハを銀座の老舗バーで学ぶ
Project report レクリエーション 学び グルメ
[ 19.10.21 ]
40代、50代のAging Gracefully世代の学びとネットワーキングを目的に、毎月開催しているAGカフェ。
4回目は8月31日午後、東京・銀座の老舗バー「洋酒博物館」を開店前に貸し切って開催しました。テーマは「銀座のバーの楽しみ方」。オーナーで、バーテンダー歴40年超の北村聡さんにカクテルの基礎知識などをレクチャーしていただきながら、オリジナルカクテルや定番カクテルを味わいました。会社員や主婦の方、6名が参加しました。
ドアを開けるとまず、棚という棚に並ぶ、ウイスキーを中心とした約3500本のボトルに目を奪われます。その様子はまさに「博物館」。栄枯盛衰の激しい銀座の飲食業界において四半世紀、年中無休で営業しているというから驚きです。「大みそかは年越しそばとシャンパン、元日はおせち料理でおもてなしをさせていただいています」。チャーミングな笑顔で、北村さんは語りました。
バーは、大人だけに許された空間です。「テーブルチャージはいわば、入場料。銀座の相場は1000~1800円ですね」と北村さん。結婚記念日や子どもの成人など、ハレの日のお祝いに来る人もいれば、亡くなった方を偲んでグラスを傾ける人もいらっしゃることから、「隣の席の方に、やみくもに話しかけるのは必ずしも良いとはいえない場合もあります」と、アドバイスをしてくださいました。
続いて北村さんは、シェイクやステア、ビルドなど、カクテルの基本的な作り方と、提供されたら10分以内には飲み切りたいショートドリンク、時間をかけて飲んでも良いロングドリンクの違いについて説明しました。「何を頼んで良いか分からない場合は、好きな果物をお伝えいただき、『あとはお任せで』とおっしゃっていただいても良いと思います」と説明しました。
そして、待ちに待った1杯目。「素敵な皆さまとの出会いの記念に」と、オリジナルのショートカクテル「ときめき」が振る舞われました。パッションフルーツのリキュールと青リンゴのリキュールに、果肉入りのグレープフルーツジュースとライムの搾り汁を混ぜてシェイクすると、目にも鮮やかなサーモンピンク色に。柑橘系のフレッシュな飲み口に「おいしい!」と歓声があがりました。おつまみは、和風ドレッシングにつけたオリーブと、チーズ入りドレッシングのスティックサラダ。カクテルとの相性もばっちりです。
話題はその後、訪日外国人を中心に人気が高まっている国産ウイスキーの話に。ウイスキーは、樽での熟成期間中に木目を通して毎年約2%ずつ蒸発していきます。いわゆる「天使の分け前」と呼ばれる現象です。「30年ものにもなると、残っているのは仕込んだ分の2割ほど。だから高くなるんですね」と北村さん。
ちなみに、お店で最も高い国産ウイスキーは、30mlで4万8000円とのこと。昨年1月には、サントリー酒類(現・サントリースピリッツ)が2011年に売り出した「山崎50年」が、香港のオークションで3250万円と、発売時の32倍超の値段で落札されたそうです。
「海外の富裕層が、著名な画家の絵などのように、日本のウイスキーを集めるようになっています。投機目的で買う人が増えていると感じますね」。
そんな話を伺ううちに、2杯目のカクテル「グラスホッパー」が振る舞われました。こちらはスタンダードなデザートカクテル。ミントのリキュール、ホワイトカカオのリキュールとクリームをシェイクして作ります。味わいはチョコミントのアイスクリームのよう。ふわふわの泡と甘い飲み口についつい皆、ペースが早まります。
当初、AGカフェで供されるのはカクテルとおつまみそれぞれ2種類ずつだったはずが、ここから北村さんの出血大サービスが始まりました。
「カクテルの王様といえばマティーニです。ぜひ、味わってみてください」。冷凍庫から出てきたジンに、ベルモットをほんの少し加えたきりっと辛口のマティーニに、皆、大興奮です。続いては、アルコール度数が驚異の96度というウォッカ「スピリタス」の試飲に。一口なめて飲み込むと、のどがぼわっと熱くなり、胃がきゅっとつかまれた感じがしました。そしてゴッホやロートレックら、西洋の芸術家たちが愛飲したという緑色のリキュール「アブサン」の試飲に。ニガヨモギやミントなど、独特のハーブやスパイスの味に皆、「初めての味!」と盛り上がりました。
最後は、生のバナナとバナナリキュール、ラム酒とクラッシュアイスをブレンダーにかけたフローズンカクテル「心のやすらぎ」が振る舞われました。
「バーはハードルが高いと思っていたけれど、北村さんの素敵なお人柄もあって楽しめました」「こんなにたくさんの種類を味わえると思わず、とてもお得に感じました」と、参加者の皆さんからは満足の声が。ご参加いただいた皆さま、北村さん、洋酒博物館のスタッフの皆さま、ありがとうございました!