自分のための「ときめきの時間」を持つことで
毎日が楽しく、人生も豊かになっていく
[ 24.05.01 ]
Aging Gracefully(AG)プロジェクトの2023年度アンバサダーを務めた観月ありささんが、24年度も続投することになりました。2期連続は初めてで、観月さん自身もさらに前向きに、幸せになれる情報を発信していきたいと意欲を見せます。一年間の活動を通して改めて感じたことや、これからの抱負をうかがいました。
元気な同世代の女性たちとの触れ合って
さらにポジティブに過ごせるようになった
AGプロジェクトのアンバサダーとして、イベントなどに参加したり、情報を発信したりしてきた観月さん。同世代の女性たちと接し、リアルな声を聞く機会が増えたことで、変わったことがあるといいます。
「私たちの世代は、年齢による体の変化や気分の浮き沈みなど、誰しも気になることはあると思うんです。だけど、お会いしたみなさんはそんなことを全く感じさせないほど、すごく元気でバイタリティーにあふれていました。新しいことを始めようという活気もあって、同世代としてすごくうれしくなりましたね。もともとポジティブな性格なんですが、元気をもらってさらに前向きに過ごせるようになりました」
仕事もプライベートも楽しみ、充実した日々を送る観月さん。昨年は9年ぶりにミュージカルにも挑戦し、俳優として歌手としてますます活動の場を広げています。年齢にとらわれず伸び伸びと人生を楽しむ秘訣(ひけつ)を聞いてみると、「悲観的にとらえずに、今の自分を大切にすること」と話します。
「さまざまな変化を悲観的にとらえて、自分を責めてばかりいると精神的に疲れてしまいますから。若い頃の自分と張り合ったりせず、『できないことはできない』と早く悟って、自分のペースを見つけるほうが楽に、楽しく生きられるんじゃないかな、と。たとえ似合う服が変わってもマイナスに考えず、『そういうものなんだな』と受け止めて、素敵に心地よく着られる服を見つければいい。やりたいことを自由に楽しめるのは大人の特権ですし、周りを気にしすぎず、余裕の構えでいればいいと思うんです」
できるようになったことを見つけて
今の自分を褒めてあげる
40代50代のAG世代は、更年期の症状や体力の衰えなど、ネガティブな面が注目されがちです。そうした情報が助けになることもありますが、これから先を思い悩み、気落ちしてしまっては元も子もありません。だからこそ、「できるようになったことを見つけて、自分を褒めてあげることが必要」と観月さんは強調します。
「年齢を重ねて、できるようになったことも絶対にありますよね。私も若い頃に比べると、周りに気をつかえるようになったと感じています。昔はマメに連絡するタイプではなくて、気づいたら少し疎遠になっている人も多かったんです。『久しぶりに連絡したのに返信がなかったら寂しいだろうな』『ちゃんと連絡を入れておかないと失礼にあたる』『現場に差し入れをしてみんなの士気を保ちたい』とか、若いときは考えもしなかったし、誰かがやってくれると思っていたことを、自分からできるようになったのは大きな変化ですね。人とダイレクトにつながるようになって、相手の熱意がわかったり、仕事のモチベーションも上がったりして、気持ちのやりとりの大切さがより一層身に染みるようになりました」
AGプロジェクトが掲げるテーマの一つ、「母でもなく、妻でもなく、女でもない、『わたし』を大切にする」には強く共感し、自身もマリンスポーツやエクササイズ、英語の勉強など、興味を持ったことにはすぐ挑戦するようにしているそうです。その試みの一つひとつが日常に刺激を与え、充実感を高めるスパイスになっているとも。
「だんだん器用になって、いろんなことに対応できるようになりますよね。みなさんもあるときは母、あるときは妻と、求められる役割を果たしているうちに、うっかり自分を忘れてしまう瞬間があると思うんです。だから、自分のための時間を作って、自分自身をいたわるのはすごく大切。トレーニングや習い事を始めたり、推し活に夢中になったり、華やかなおしゃれやネイルを楽しんだり、気分が上がることをどんどんやったほうがいい! 『新しいことをやってるぞ』みたいなワクワク感があると毎日が新鮮になりますし、ときめきを感じられる時間があると生活に張り合いができて、人生が幸せに豊かになっていく気がします」
煮詰まったらドラマや映画に逃避
悩みから距離を置いて冷静になる
話を聞くほどに、前向きな考え方や潔い生き様が素敵な観月さん。そんな彼女でも悩みが頭から離れなくなり、打つ手が浮かばなくて煮詰まることがあるそうですが、「現実逃避でリセットするのが一番!」と軽やかに話します。
「ホラーやサスペンスなど、ドキドキハラハラするようなドラマや映画のストーリーに没入して、非現実なところに自分を持っていくようにしています。気になることを考えてばかりいると、どうしても悪い方向に行ってしまいますから……。忘れることはできないからちょっと脇に置いておいて、冷静になったときに改めて考えるように。若い頃は悩みの中に自ら突っ込んでいたように思うので、大人の余裕が出てきて、ちょっと待てるようになったのかもしれません」
最後にAGプロジェクトのアンバサダーとしての抱負とこれからの展望を聞きました。
「アンバサダーとしては2期目になりますので、みなさんがもっと楽しく充実した毎日を送れるように、エクササイズや美容法、体にいい食べ物など、私が挑戦してみてよかったことやお役に立つような情報をダイレクトにお届けできたら。そしてこれから先は、人生に悔いがないようにしたいと考えています。人生100年時代とはいえ、いつまで生きられるかは誰にもわかりませんので、年齢とともに変化していく自分と向き合いながら、フットワーク軽く、ポジティブに。春には桜、夏は海、秋にはもみじというように四季の変化をめでながら、充実した毎日を積み重ねていきたいです」
- 観月 ありさ Arisa Mizuki
- 1976年12月5日生まれ、東京都出身。4歳から子役、モデルとして活動。91年に歌手デビュー。92年の「放課後」で連続テレビドラマ初主演以降、30年連続主演記録を樹立。代表作にドラマ「ナースのお仕事」シリーズ、同「鬼嫁日記」シリーズ(いずれもフジテレビ系)など。近作に舞台「チャーリーとチョコレート工場」(2023年)、主演ドラマ「週末旅の極意~夫婦ってそんな簡単じゃないもの~」(23年、テレビ東京系)など。24年7月公開予定の映画「もしも徳川家康が総理大臣になったら」に出演。
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