第6回AGカフェ
ボイストレーニングで魅力的な声を手に入れよう!
Project report 学び レクリエーション キャリア
[ 19.12.16 ]
40代、50代のAging Gracefully世代の学びとネットワーキングを目的に、毎月開催しているAGカフェ。
6回目は10月17日夜、朝日新聞東京本社で開催しました。
テーマは「ボイストレーニングで魅力的な声を手に入れよう!」。講師には、中野区でボイストレーニング教室を主宰する浜田真実さんを迎え、正しい声の出し方や加齢に伴う声の変化について学びました。仕事で声を使うことが多い営業職や教員の方、年齢とともに声の出しづらさに悩む主婦の方など、13人が参加しました。
浜田真実さん 1961年生まれ。俳優養成所を経て、歌手としてかつて銀座にあった日本初のシャンソン喫茶「銀巴里」に出演した経験も。東京都中野区でボイストレーニング教室「マミィズボイススタイル」(https://koetokokyu.com/)を主宰。
そもそも、年齢とともに声が低くなるのはなぜでしょうか。女性ホルモンの分泌が減り、声帯がむくむことや、耳の機能が落ちて、発声できる音域が下がることなどが原因だと言われています。浜田さんは「声が低くなるのは避けられないことですが、今の音域はトレーニングによって、ある程度維持できます。大人の女性の声の魅力は、その包容力。声は年齢に関わりなく、植物のように美しく育てられますよ」と語りかけました。
具体的には、どのようにすれば良いのでしょうか。声は、消化器や呼吸器、筋肉や骨が連動し、助け合って働くことで初めて出せるようになります。このため、正しい発声には「姿勢、呼吸、リラックスした身体、耳、骨の振動を意識することが大事です」と浜田さんは語りました。
まずは姿勢。胸を開き、背中は羽が生えたように肩甲骨を寄せ、あごは引く。足の親指は地面に押し付け、ほかは力を抜いて立つことが大事だそうです。また、呼吸についてはこんなアドバイスがありました。「肺は前面よりも背面の方が少し大きいので、背中を意識して呼吸をすると、気持ちが落ち着いて、深い声が出せるようになります」。そして、発声する前には伸びなどのストレッチをして、緊張をほぐすことも有効だということです。
次に注意すべきは耳。実は、右耳と左耳にはそれぞれ得意分野があるそうです。右耳は個別の音を拾うのに適していて、左耳は全体状況を把握するのが得意。「自分の声を右耳で聴くことを意識してください。聴く力=インプット力がつくと、発声=アウトプット力も自然についてきます」と浜田さんは説明しました。また、発声する際には、骨の振動を意識すると良いそうです。「身体を共鳴板のように使って楽器のように響かせると、相手に声が届きやすくなりますよ」
また、発声には心の状態も大きく影響するとのこと。「声を出しづらいという人に話を聞くと、悩みを抱えていたり、厳しい環境で育ってきたりと、自由に声を出せないような状況に長くあった方が少なくありません」と浜田さん。
後半は実技編でした。全員起立し、呼吸を整えるために肋骨の間をマッサージするところからスタートしました。そして、全身のストレッチ。さらには、のど仏を軽く上下方向にさすったり、子猫のようにのどを鳴らしたり。ひざを折り、上下にバウンドしながら「はっはっはっは」と声を出したり、舌を突き出したまま声を出したり。最後は、早口言葉の発声練習や、応援団の団長のように野太い声を出す練習などもありました。初対面の参加者同士、最初は恥ずかしさもありましたが、おなかの底から思いきり声をだしていくうちに、どんどん表情が明るくなっていきました。
頰の筋肉を上げて声を出すと、高い声が出やすくなることを実感する参加者たち
終了後、参加者からは「心と身体がつながっていて、声を出すことでストレス発散もできると分かり、とても良かった」「夫にもぜひ、今日習ったことを教えてあげたい」との意見が寄せられました。
ご参加くださった皆さま、浜田先生、本当にありがとうございました!
文=朝日新聞社 Aging Gracefullyプロジェクトリーダー 前田育穂