Aging Gracefullyオンラインフォーラム2021<後編>
美容とエクオールの関係、AG世代ならではのボディケアの方法など、ポジティブに年齢を重ねていくためのヒントが満載
Special 更年期 ファッション ヘルスケア ビューティー 学び ハウツー
[ 21.03.29 ]
ゲストの松本千登世さん
| セッション2|
AG世代が知っておきたい美容とエクオールの働き
AG世代の女性の「健康と美」をテーマにした今回のフォーラム。
セッション1につづくセッション2では、美容エディター・ライターの松本千登世さん、『GLOW』編集長の井下香苗さん、大塚製薬の西山和枝さんが登壇。「AG世代が知っておきたい美容とエクオールの働き」をテーマに、朝日新聞社AGプロジェクトの前田育穂さんが進行役を務めました。
まずは、松本さんのツヤのある美しい髪や、明るい肌のケアの仕方を前田さんが質問。
松本さんは「年齢を重ねていくにつれ、ケアもどんどん『源流』にさかのぼるようになり、食生活や睡眠、体を動かすことなどが一番大事だなと思うようになりました。まずは体調を整えないと、化粧品も肌に効いてくれないんです。意識しているのは『巡らせる』ということで、忙しくても毎日、湯船につかったり、できるだけ長く歩いたりして、血行をよくすることを心がけています。また、良質な睡眠のため、夜はなるべくパソコンやスマホを見ないようにしています」と語りました。
美容エディター・ライター 松本千登世さん
大塚製薬の西山さんは、女性ホルモンが髪や肌を含め、骨や血管など体の様々なパーツに作用していることを解説。特に閉経後は女性も薄毛になりやすいことを、スライドを示しながら説明しました。
そして、「女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、女性にとっての『守り神』です。守り神が減っていく更年期には、規則正しい生活やバランスの良い食事、適度な運動、睡眠やリラックスに加え、時にはサプリメントを活用することも効果的です」と続けました。
大塚製薬提供
そして、エストロゲンと似た作用をする、エクオールという成分について解説しました。大豆製品を摂ると腸内で作られるものですが、日本人のAG世代の女性の2人に1人は、エクオールを作り出せる腸内細菌を持たないとのこと。
腸内細菌の有無や活動状況は「ソイチェック」という市販の尿調査キットで調べられるため、今回のゲストにも事前に調べてもらったところ、松本さんは5段階評価でレベル4(十分に活動している)、井下さんは2(とても少ないか、あまり活動していない)、前田さんは3(活動している)という結果に。西山さんは「エクオールが作れる方も、体調によって変化します。安心せず、積極的に大豆製品を摂取して、賢くサプリメントも活用してください」とアドバイスしました。
大塚製薬提供
また、西山さんはかかりつけの婦人科医を持つことの大切さにもふれました。「大塚製薬では『更年期ラボ』というサイトで、更年期症状の相談機関などを紹介しています。加えて、『WAGAZINE』という冊子でも、女性の健康に関する様々な情報を発信しています。是非参考にしてください」
西山さんの話を受け、井下さんは「身体の内側に目を向けることの大事さに気づきました」と話し、エクオールを活用する決意を表明。
松本さんは「これまでは、老化と女性ホルモンの減少は同じものととらえていましたが、お話を伺って、分けて考えてみようと思いました。そして、それぞれの症状にきちんと向き合い、できることをしていきたいです」と語り、セッションを締めくくりました。
左から大塚製薬 西山和枝さん、松本千登世さん、井下香苗さん
| セッション3|
下着でかなえる、AG世代のボディケア
セッション3は引き続き、松本さん、井下さんとともに、ワコール広報・宣伝部の福岡智亜紀さんから「下着でかなえる、AG世代のボディケア」をテーマにお話を伺いました。
在宅勤務が増え、姿勢や体型が気になり始めたという声もよく聞かれるようになる中、松本さんも「パソコンの前で座って過ごす時間が長くなり、体が固まってしまっている感じがします。骨や関節が、収まるべきところに収まっていないというか……」と打ち明けました。また、井下さんは昨年末、下着を新調しようと採寸したところ、カップサイズが上がっていて驚いたエピソードを披露しました。
左から前田育穂さん、松本千登世さん、井下香苗さん、ワコール 福岡智亜紀さん
ワコールの福岡さんは井下さんのケースについて、「AG世代にはよくあるケースです」と指摘。50歳以上になると、バストの輪郭が脇へ広がることや、肉質が柔らかくなるため、カップ内に集めやすくなるからなのだそうです。
同社には、「ワコール人間科学研究所」という研究機関があり、50年以上にわたり、4歳から69歳までの女性の身体を毎年1000人ずつ計測しているのだとか。中には1人の人を30年以上に渡って計測しているケースもあるとのこと。時系列のデータを分析して見えてきたことは、20代後半から50代前半までの25年間で女性の体重は5kg増え、ウエストは10cm太くなり、おなかとバストが同じ周径になるという、衝撃の事実でした。
ワコール提供
とはいえ、加齢に伴う体形の変化について福岡さんは、「悲観的に受け止める必要はありません。お肉がやわらかくなった分、下着で理想的なボディをデザインできるようになったことはむしろ、AG世代の特権とも言えます。そのためにも、AG世代の身体に合わせて設計された下着を着用することをお勧めします」と話しました。
具体的には、ブラジャー選びでは背中の肉とブラジャーとの段差が服越しに見える、いわゆる「はみ肉」が起きないよう、脇から背中にかけての部分が幅広いものを選ぶこと。また、胸のボリュームが大きい人の場合、胸が左右に広がらず、コンパクトに収まるようなものを選ぶことで、洋服を美しく着こなすこともできると説明しました。ショーツについても、ヒップの丸みをすっぽり包み込み、ヒップと下着の段差が出にくいタイプのものを選ぶことで、若々しい後ろ姿を演出できると解説しました。
ワコール提供
ワコール提供
さらに、睡眠時や運動時などTPOで下着を使い分けることも、ボディケアの意味で大切とのこと。ワコールの製品には、肌が敏感になりがちなAG世代にうれしい、天然素材や柔らかい素材のものも豊富にあるため、素材感を確認し、試着をしてから買うことが大事だと指摘しました。
ワコール 福岡智亜紀さん
今回で3回目となった「AGオンラインフォーラム」は、AG世代の美や健康に役立つ学びやヒントにあふれた実りの多い時間となりました。各セッションの動画は下記からご視聴いただけます。
セッション2
セッション3
今後とも、Aging Gracefullyプロジェクトの取り組みに是非、ご期待ください。
文=草刈康代 写真=藤田明穂