Aging Gracefully フレンズカフェ 第2部〈後編〉
村田貴子さん「支出の再点検を」
投資は長期、分散、積み立てが大事
Special Project report マネー 学び ハウツー
[ 24.04.17 ]
Aging Gracefully(以下、AG)プロジェクトは、40代、50代のAG世代の女性たちを応援するために、企業向けの勉強会や一般の方向けの催しなど、さまざまな活動を展開しています。
2024年2月17日には、「Aging Gracefullyフレンズカフェ」と題したオンラインセミナーをライブ配信しました。第2部はAGフレンズでファイナンシャルプランナー、ほけんの窓口グループ株式会社教育部担当部長の村田貴子さんをゲストにお迎えし、「物価上昇に負けない! 今こそ始めるAG世代のためのマネーセミナー ~新NISA活用法~」をテーマにお話しいただきました。司会は朝日新聞社Aging Gracefullyプロジェクト編集長の坂本真子が務めました。
第2部では四つのテーマに沿って、村田さんが話しました。後編では、③投資の三つのポイント、④「忘れていませんか?」資産形成もう一つの視点、の2項目を紹介します。
【3】投資の三つのポイント
「長期」「分散」「積み立て」という三つのポイントについて、村田さんが説明しました。
「じっくり、バラバラ、コツコツ、ということで、長期、分散、積み立てを取り入れることによって、リスクを抑えながらお金を増やすことにつながります」
一つめの「長期」とは、具体的にどういうことでしょうか。
「過去のデータをもとに運用成果を見てみましょう。保有期間5年で結果を出すと、図のように元本割れになっているケースもありますが、保有期間20年だと損する可能性は減ります。これには利息のつき方も大きく影響しています」
「利息には単利と複利の2種類があります。単利は、元金に対して1年目に利息がつき、2年目にも元金に対して利息がつきます。一方複利は、元金に対して2年目に利息がつくだけではなく、1年目の利息にも小さな利息がつきます。3年目は元金に対して利息がつくほか、前年の利息にも利息がつき、雪だるま式にどんどん利息がついていきます。長期で運用すればするほど、年数がたてばたつほどカーブが上がっていくのが複利効果ですね。アインシュタインは『人類最大の発明は複利である』と言ったそうです。複利効果を味方につけて、資産を増やしていくことにつなげていきたいですね」
二つめは「分散」です。「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言を、村田さんは引用しました。
「卵を一つのカゴに盛ると、転んだら全部落として割れてしまいます。一方、小さなカゴに分けて入れれば、一つ落としても残りは無事で、リスクを抑えられます。投資も同じことが言えます。良いと思った商品があっても、そこに集中して投資してしまっては大きなリスクにつながる場合もありますので、資産を分散して運用することが大切ということです。たとえば、預貯金、株、債券、保険に分けるとか、日本だけではなく、米国、ヨーロッパなどいろいろな地域(通貨)への分散も、リスクを抑えながらお金を増やすことにつながります」
三つめの「積み立て」とは。
「積み立て投資は、投資対象を一定額、定期的に買い付けていく投資方法です。金融商品をリンゴに置き換えて考えてみましょう。特別なリンゴで値動きのあるものとして、1回1万円分のリンゴ投資を5回継続するとします。1回目のリンゴ1個あたりの金額は2千円、2回目は千円、3回目は500円、4回目も500円、最後は上がって千円だったとしましょう。合計投資額は5回で計5万円ですが、5回目の千円で全てのリンゴを売却した場合、5万円より多くなったか、少なくなったか、どちらでしょう?」
「投資の成果は、リンゴの価格×リンゴの購入数となります。購入数は全部で65個。千円×65個は6万5千円で、5万円より多くなりました。価格は下がり続けて、最後だけ上がっています。スタートしたときの値段に戻っていないのに、なぜ5万円より増えているのか不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません」
「これは2千円のときは5個しか買えませんが、500円に下がった3回目・4回目は20個ずつ買えています。つまり、価格が上がったときは量を少なく買い、価格が下がったときは量を多く買えるということです。これは購入単価を抑えることにもつながっていきます。これが『積み立て投資』の効果です」
「ただ、このように投資をしていても、損につながってしまう方もいます。ドンと暴落が来て、慌てて売ってしまう。狼狽(ろうばい)売りとも言いますが、慌てて何もかも手放してしまうと、そこで損が確定してしまいます。コロナショックのとき、株価は大きく下がりましたが、短期間で持ち直しました。投資の格言に『Stay in the Market』という長期投資の合言葉があります。市場に居続けろ、という意味です」
【4】「忘れていませんか?」資産形成 もう一つの視点
出費が多いと、お金は増えません。「定期的に支出の再点検、削減ができていますか」と、村田さんは呼びかけます。
「たとえば、固定費の見直しを考えると効果的です。携帯電話の料金、住宅ローンの返済などです。そして、何年も前に加入した保険契約はないでしょうか。保険には、以前は必要だったけれど、今は必要ないという備えもあります。千円でも百円でも自分にとって不要なものに払い続けていたらもったいないですよね。見直して、そのお金を投資に回してもいいかもしれません」
最後に、資産形成の目的を考えました。
「お金を増やすのはあくまでも手段です。将来実現したいことはどんなことでしょうか。たとえば、世界遺産を巡りたい、ペットを飼いたい、趣味ざんまいの生活を送りたいなど、いろいろあるでしょう。実現したい未来のために資産形成はあるはず。目的が変われば手段も当然変わります。今回は新NISAに注目して話してきましたが、ほかにもさまざまな手段がありますので、お一人おひとりの目的に合ったものを選ぶことが大切です」
「自分で一つ一つ考えるのは難しい、という方は、お金の専門家、ファイナンシャルプランナーの無料相談をご利用いただく方法があります。ほけんの窓口は、ファイナンシャルプランナーの専門的な立場からアドバイス、サポートをさせていただきます。自分に合った資産形成方法を知りたい方、どうやって家計管理をしたらいいかわからない方、自分のライフプランを作ってみたい方など、お気軽にご相談ください」
「どんな生活を望んでいて、そのためにいくらぐらいのお金が必要で、年金をどれぐらい受け取れるのか、どのような準備をしていけばいいのかを見える化するグラフを無料でおつくりしてお渡しすることもできます。実際には、『そもそも何から考えたらいいのかわからない』という方が最も多いかもしれません。現在と将来をバランスよく、お金のことを考えていくにはどうしたらいいのか。お悩み解決のために使っていただくことをおすすめします」
◆ファイナンシャルプランナーによるオンライン無料相談、お申し込みはこちらから
https://www.hokennomadoguchi.com/reservation/4997?is_online&option=020
- 村田 貴子(むらた たかこ)さん
- 証券会社勤務、銀行勤務を経て、現在は「ほけんの窓口グループ株式会社」の教育部担当部長。
多くのお客さまの心配事や悩みを解決するファイナンシャルプランナーとして勤務後、3千人以上の社員教育に携わる。その他、銀行・保険会社向け研修も担当。最近は、高校生向けの金融授業、小学生向けのキッズマネーセミナーも実施。「資産形成」についてのセミナーも力を入れており、ライフプランを踏まえて資産形成を考えることの重要性を伝えています。
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- ◆Aging Gracefully フレンズカフェ「美容とお金のポイントは?」
2024年2月17日(土)14:00~15:50
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村田貴子さん(ファイナンシャルプランナー、ほけんの窓口グループ株式会社教育部担当部長、AGフレンズ) - 司会:坂本真子(朝日新聞社Aging Gracefullyプロジェクトリーダー/編集長)
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